ノルウェーのトロンハイム市は、オンプレミスのMicrosoftアプリからクラウドへの移行を決断。G Suiteを選定し、移行を開始した。彼らは移行を円滑化するため、ある施策を実施した。
ノルウェー第3の都市トロンハイムは、サポートツールとグループウェアをGoogleの「G Suite」に切り替え、クラウドへの移行に踏み出した。1年後、同自治体のコスト効率は向上し、コラボレーションが改善され、モバイル化が進んだという。
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トロンハイム市のITディレクターを務めるビョルン・ビラ氏は本誌のインタビューに応じて次のように語った。「職員の出張が減り、業務効率が向上し、情報の共有方法が改善された。こうしたことが、デスクトップPCのローカルで作業するのとは違う、クラウドを利用するメリットだ」
同市のクラウド化の歩みは、2016年の公開入札から始まる。同市はオンプレミスのMicrosoftアプリケーションを置き換えることを考えていた。つまり、メール、ビデオ会議、コラボレーション、プレゼンテーション、ストレージの各サービスを1万5000人の職員に提供する新しいクラウドベースのツールを求めていた。
移行を促したのは職員だった。同自治体の職員の多くは、仕事の空き時間に高度なデジタルツールを使用していた。こうした職員がリアルタイムのコラボレーションツールにアクセスできず、メールでのやりとりにうんざりしていることにビラ氏は気付いた。
入札過程では、MicrosoftとGoogleのクラウドサービスが評価された。最終的にG suite(当時の名称は「Google Apps for Work」)を提供するスウェーデンのクラウドサービスプロバイダーAvalon Solutionsと3年契約が結ばれた。トロンハイム市は、この決定の主な理由は、その機能、質、価格、提供能力だったとしている。
ビラ氏の話では、クラウドへの移行はスムーズだったという。2016年12月中旬、選別したメールがひと晩で移行され、残りの6500万通に及ぶ同市のメールが翌月から段階的に移行された。最大の課題は、同市が利用していたMicrosoftの「Active Directory」のメンテナンスにあった。
「このシステムはここ何年も“クリーン”な状態ではなかった。そのため、再びクリーンにするのであれば、移行前のクリーンアップに多くの時間がかかるだろう」(ビラ氏)
移行中に小さな不具合は幾つかあったが、トロンハイム市は結果に自信を持っている。最近の調査では、PCのローカルにインストールされたMicrosoft製品をいまだに必要とする職員は10%にすぎないことが明らかになった。
移行に欠かせないのは、新しいツールに対する職員の前向きな反応だとビラ氏は話す。同氏は、そのための作戦を実行することにした。
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