自治体のG Suite導入を成功させたIT部門の秘策少人数のIT部門でも可能

ノルウェーのトロンハイム市は、オンプレミスのMicrosoftアプリからクラウドへの移行を決断。G Suiteを選定し、移行を開始した。彼らは移行を円滑化するため、ある施策を実施した。

2017年12月13日 08時00分 公開
[Eeva HaaramoComputer Weekly]
Computer Weekly

 ノルウェー第3の都市トロンハイムは、サポートツールとグループウェアをGoogleの「G Suite」に切り替え、クラウドへの移行に踏み出した。1年後、同自治体のコスト効率は向上し、コラボレーションが改善され、モバイル化が進んだという。

Computer Weekly日本語版 12月6日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 12月6日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。

ボタンボタン

 トロンハイム市のITディレクターを務めるビョルン・ビラ氏は本誌のインタビューに応じて次のように語った。「職員の出張が減り、業務効率が向上し、情報の共有方法が改善された。こうしたことが、デスクトップPCのローカルで作業するのとは違う、クラウドを利用するメリットだ」

 同市のクラウド化の歩みは、2016年の公開入札から始まる。同市はオンプレミスのMicrosoftアプリケーションを置き換えることを考えていた。つまり、メール、ビデオ会議、コラボレーション、プレゼンテーション、ストレージの各サービスを1万5000人の職員に提供する新しいクラウドベースのツールを求めていた。

 移行を促したのは職員だった。同自治体の職員の多くは、仕事の空き時間に高度なデジタルツールを使用していた。こうした職員がリアルタイムのコラボレーションツールにアクセスできず、メールでのやりとりにうんざりしていることにビラ氏は気付いた。

 入札過程では、MicrosoftとGoogleのクラウドサービスが評価された。最終的にG suite(当時の名称は「Google Apps for Work」)を提供するスウェーデンのクラウドサービスプロバイダーAvalon Solutionsと3年契約が結ばれた。トロンハイム市は、この決定の主な理由は、その機能、質、価格、提供能力だったとしている。

 ビラ氏の話では、クラウドへの移行はスムーズだったという。2016年12月中旬、選別したメールがひと晩で移行され、残りの6500万通に及ぶ同市のメールが翌月から段階的に移行された。最大の課題は、同市が利用していたMicrosoftの「Active Directory」のメンテナンスにあった。

 「このシステムはここ何年も“クリーン”な状態ではなかった。そのため、再びクリーンにするのであれば、移行前のクリーンアップに多くの時間がかかるだろう」(ビラ氏)

 移行中に小さな不具合は幾つかあったが、トロンハイム市は結果に自信を持っている。最近の調査では、PCのローカルにインストールされたMicrosoft製品をいまだに必要とする職員は10%にすぎないことが明らかになった。

 移行に欠かせないのは、新しいツールに対する職員の前向きな反応だとビラ氏は話す。同氏は、そのための作戦を実行することにした。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

譁ー逹€繝帙Ρ繧、繝医�繝シ繝代�

製品資料 株式会社ラクーンフィナンシャル

与信審査から督促まで代行、請求書払いの問題を解消する決済代行サービスの実力

B2B取引の決済手段として多くの企業が採用している請求書払い(後払い)だが、入金遅延や未払いが発生するリスクもある。そこで、これらのリスクと業務負担を解消する決済代行サービスが登場した。本資料で詳しく紹介する。

事例 株式会社ラクーンフィナンシャル

クレカ払いだけでは顧客を取りこぼす? Chatworkなどに学ぶ決済手段改善の方法

SaaSの決済手段ではクレジットカード払いを設定するのが一般的だが、B2B取引においてはそれだけだと新規顧客を取りこぼすこともある。Chatworkやココナラなどの事例を交え、決済手段を多様化する重要性と、その実践方法を解説する。

製品資料 日本ヒューレット・パッカード合同会社

複雑化するIT管理をどう効率化する? 分散環境で堅固なリモート管理を行う方法

ハイブリッドクラウドやエッジコンピューティングの普及に伴い、企業が管理すべきIT資源が急増している。こうした中で注目を集めるのが、あるクラウドサービスだ。分散環境における課題とその解決策について、導入事例とともに解説する。

製品資料 日本ヒューレット・パッカード合同会社

運用負荷やコストが増大、複数世代にわたるIT環境のモダン化をどう進める?

AI活用やデータドリブン経営が加速する一方で、レガシーインフラが問題になるケースが増えている。特に複数の世代にわたってIT資産が混在しているインフラ環境では、運用負荷やコストが増大してしまう。この問題をどう解消すればよいのか。

製品資料 日本ヒューレット・パッカード合同会社

無計画なハイブリッドクラウドが招く弊害、次世代のITインフラでどう解消する?

クラウドファーストの流れが加速する中、無計画に構築されたハイブリッドクラウドの弊害が多くの企業を悩ませている。ITオペレーションの最適化を図るためには、次世代のハイブリッドクラウドへのモダン化を進めることが有効だ。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。