進むMFAの実装
生体認証導入で医療機関でもパスワードはなくなる? そのメリットと課題
医療機関を狙うサイバー脅威は増加している。生体認証はパスワード管理からユーザーを開放する手段だが、セキュリティリスクとソフトウェア要件に関する懸念が伴う。
多くの医療機関にとって、生体認証は90日ごとにパスワードを変更したり、複雑なフレーズを使用してログインしたりする必要がないという点で満足度が高い。セキュリティリスクが高くなり、機密性の高い情報が増加したことにより、病院のIT部門ではユーザーがあまり望まないセキュリティポリシーの実装が必要になった。これは特定のユーザーだけが病院のシステムにアクセスできるようにするためには必要不可欠だ。顔認識、音声認証、指紋照合などの一般的な生体認証技術が利用できるようになると、厄介なパスワード管理からユーザーを解放するこれらの手段への移行が望まれるようになった。しかしこれらの生体認証技術は、医療分野に導入する用意ができているのだろうか?
生体認証技術の導入は容易ではない。IT部門はハードウェアからソフトウェアの互換性までさまざまな課題に直面することになる。生体認証の導入により、電子健康記録(EHR)への容易なアクセスや、スケジュールII薬物の電子処方を実現できれば、IT担当者は休暇をとってキャンプを楽しむことができるだろう。しかし医療機関のCIO(最高情報責任者)やCISO(最高情報セキュリティ責任者)は、何もかもがうまくいくわけではないという現実を知ってこの技術に対処する必要があり、経営者と意思決定者はさまざまなメリットとデメリットを考慮する必要がある。
生体認証技術のメリット
- セキュリティの改善
医療機関に対するサイバー脅威は増加している。攻撃者がシステムにアクセスするためのエンドユーザー資格情報の悪用を防ぐことは、重要な対策事項の一つだ。セキュリティを強化し、許可されたユーザーにのみシステムへのアクセスを許可するために、多くの企業では多要素認証(MFA)を実装している。生体認証は、MFAの一環として導入することで、セキュリティを向上してハッカー攻撃を防御する理想的な選択肢と考えられている。
- スタッフアクセスの改善
ハードウェアトークンやその他の認証方法の代わりに生体認証技術を実装して、病院システムへのアクセスを効率化できる。6桁のトークンやSMSセキュリティコードを入力する必要はない。
さまざまなセキュリティリスク
残念なことに、生体認証は普及しているにもかかわらず、その正確さには多くの懸念がある。
指紋認証にはハッキングやバイパスの例がある。そのため一部のITエンジニアやセキュリティエンジニアは、リスクの少ない他の生体認証技術を選択している。例えば、手のひらの静脈パターンを使用する静脈スキャナーや、網膜の固有のパターンを検出する網膜スキャナーは、より安全な選択肢と考えられている。Microsoftの「Windows Hello」やAppleの「Face ID」のような新しい顔認識技術は、ハッキングされた例が報告されているにもかかわらず、肯定的に評価されている。
特定のソフトウェア要件
残念ながら生体認証には追加のソフトウェアが必要だ。EHRプラットフォームと病院のシステムでは生体認証技術と互換性がないため、病院のCIOの選択肢が限られている場合に問題となることがある。例えばWindows Helloでは、顔認識によりOSにアクセスできるが、Windows 10が必須である。しかし多くの病院がまだ最新のWindows OSへの移行の最中にあるため、広くは採用されていない。
生体認証技術は、コンピュータソフトウェアやセキュリティ保護されたシステムへのアクセス以外にも利用されている。インドなどの各国が国民の識別システムを利用しており、国民が政府補助金を受け取るには国民データベースの指紋認証を使用する必要がある。生体認証技術に関する懸念があるにもかかわらず、この技術を使用することは、セキュリティを向上させ、個人識別情報の盗難リスクを低減すると病院は認識している。
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