新機能やGUIを完備
Windows Server 2019の注目機能Windows Admin Centerはハイブリッドクラウド構築を加速させる
Microsoftの「Windows Admin Center」があれば、トラブルシューティングに役立つだけでなく、最新のWindows Serverのメリットを最大限に引き出せるだろう。
Microsoftは2018年10月に「Windows Server 2019」の提供を開始した。仮想ワークロード間のトラフィックの暗号化など、ネットワークとストレージ向けの機能を見直している。さらにストレージの構築機能「記憶域スペースダイレクト」(Storage Space Direct)で確保できる容量を、従来の1TBから4TBに拡大する。一方、「Windows Admin Center」はサーバ管理ツールで、Windows Server 2019を運用するオンプレミスサーバの対応範囲をAzureに広げる機能が注目を集めている。
コンサルティング会社TriCon Elite Consultingで主席コンサルタントを務めるデイブ・カウラ氏は次のように話す。「Windows Admin CenterはMicrosoftにとって完璧な船出となった。信じられないほど多くの人々が興味を示している」
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Windows Admin Centerとは
Windows Admin CenterはGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)を持つ管理ツールで、オンプレミスとクラウド双方のサーバ監視とトラブルシューティングを対象とする。Microsoftは自社カンファレンス「Microsoft Ignite 2017」で、Windows Admin Centerのテクニカルプレビュー版を「Project Honolulu」という名前で発表している。このツールは「Remote Server Administration Tools」(リモートサーバ管理ツール)とデータ管理ツール「Microsoft System Center」の機能を補完するものとして開発され、2018年4月の一般公開時に名前を変えた。
Windows Admin Centerは「イベントビューア」「リモートデスクトップ」など、使い慣れた多くのアプリケーションを携える。独自の拡張機能を開発できるように、ソフトウェア開発キット(SDK)も提供されている。
「Windows Server 2008 R2」以降のバージョンのWindows ServerとWindows Admin Centerを連携させることも可能だ。ただし、「Azure Backup」や「Azure Site Recovery」などAzureのサービスと連携させる場合は、Windows Server 2019へのアップグレードが必要になる。Windows Admin Centerを利用すると、管理者は簡単な操作でハイブリッドクラウド環境を構築できる。例えば、Azure Site Recoverを使ってオンプレミスのWindows Server 2019のワークロードをバックアップする場合、AzureアカウントとWindows Admin Centerさえあればよい。
「本当に数回クリックするだけで設定できる。Windows Admin Centerのコンセプトは、日々の管理作業を簡単にし、『Windows PowerShell』に詳しくない人でも管理作業を実行できるようにすることだ」(カウラ氏)
Windows Server 2019の新機能やアップデートされた機能は、Windows Admin Center経由でのみ利用できる。具体的には、サーバのワークロードとデータを移行させる「Storage Migration Service」、クラスタとサーバの災害復旧用の「Storage Replica」、予測分析を利用してCPU、ストレージ、ネットワーク、ボリュームの使用状況についての潜在的な問題を防ぐ「System Insights」などがある。
Microsoftは最新版のWindows Admin Centerを2018年9月20日にリリースした。このリリースには、同社のフィードバックシステム「UserVoice」を通じて要望があった機能を盛り込んでいる。
サーバ導入を簡素化するツール
Windows Server 2019には「Essentials」「Standard」「Datacenter」の3エディションがあり、それぞれ価格と機能が異なる。Microsoftが掲げるリリースモデル「長期サービスチャネル」(LTSC)の一環として、Windows Server 2019には5年間のメインストリームサポートと、追加5年間の延長サポートがある。ドメインコントローラーなどのインフラワークロード用に、「Server with Desktop Experience and Server Core」というGUI版が用意されている。
Microsoftは物理ワークロードと仮想ワークロードの両方に対し、最小限の動作環境である「Server Core」の利用を勧めている。だがGUIのないServer Coreではワークロードが不安定になったとき、それを管理するのに必要なPowerShellのスキルを持たない管理者では対処できない。このような場合にもWindows Admin Centerが役に立つ。
「Server Coreでの操作に対するMicrosoftの姿勢で問題となっていたのが、トラブルシューティングへの対処方法だ。トラブルシューティングを実行するツールは、GUIを備えていることが一般的だ。そのため、管理者はトラブルに巻き込まれるたびに、GUIに戻りたいと考える。Windows Admin Centerはこうした要望に対するMicrosoftの答えだといえる」(カウラ氏)
サポート条件の変化へのフォロー
Windows Admin CenterとWindows Server 2019のリリース時期は、2020年1月14日でサポートが終了する「Windows Server 2008」や「Windows Server 2008 R2」を利用中の企業が、その後の選択肢を検討し始める時期に重なる。
Microsoftは「Extended Security Updates」プランにて、Windows Server 2008やWindows Server 2008 R2のワークロードをAzureに移行する手段を提供している。ユーザーがそれらの古いOSに構築されている仮想マシン(VM)をAzureに移行すると、追加で3年間のセキュリティ修正プログラムを受け取ることができる。ただしサポート終了日以降のVMのコストは発生する。
サポート期間の終了までに、Azureへの移行あるいはOSアップグレードのどちらも実行できない企業に対しては、「Extended Security Updates」が用意されている。加えて「Windows Server 2016」へのアップグレードも可能にしている。ただし「ソフトウェアアシュアランス」か「エンタープライズ契約」のどちらかのサブスクリプションが必要になる。
Extended Security Updatesは提供期間が短かった「Premium Assurance」に代わるものだ。Premium Assuranceは2017年の初めにMicrosoftからリリースされ、サポート終了後も追加で6年間のサポートを提供する。
こうしたサポートの変更は、IT担当者がWindows Serverのアップグレードと導入を計画するタイミングに影響する。MicrosoftはWindows Serverとデスクトップ用Windowsのサポート条件を過去1年半の間に少なくとも5回変更していると話すのは、Microsoftに関する情報を専門に扱うメディア企業「Directions on Microsoft」でアナリストを務めるジム・ゲイナー氏だ。
「Microsoftはこうした頻繁なサポート条件の変更を止め、安定させなければならない。このままだと同社の印象は悪くなり、顧客の信頼を損なう。自社のインフラサーバのOSは信頼に足るものであるべきだ」(ゲイナー氏)
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