iOS 11からiOS 12で何が変わったのか
iOS 12のユーザー認証はOAuthでどのように簡素化されたのか
OAuthはiOS 12でどのように使えるようになったのか、ユーザー認証の仕組みはどうなっているのか、また懸念すべき点は何か。本稿ではこれらについて解説する。
Appleが「iOS 12」に認証プロトコル「OAuth 2.0」のサポート機能を追加したことで、開発者はiOSアプリのユーザー認証を簡略化できるようになった。OAuth 2.0は、Webサイトやモバイルアプリへのアクセス権付与をセキュアに実施するための認証方法に用いられるプロトコルだ。開発者はOAuth 2.0を利用し、低コストでモバイルアプリのユーザー認証を簡略化することが可能だ。
OAuth 2.0を使えば、特定のアプリケーションを利用するために新しいアカウントを作成しなくても、ユーザーは既存のソーシャルメディアの認証情報を使ってそのアプリケーションを利用できる。ユーザーがアプリケーションにログインする際、認証情報を利用するソーシャルメディアを選択するだけで済む。ソーシャルメディアのプロバイダーがユーザー本人であることを確認すれば、ユーザーは自動的にそのアプリケーションを利用できるようになる。
OAuth 2.0でiOSアプリのユーザー認証を簡素化する仕組み
Appleが「iOS 11」を発表した時、開発者の間ではOAuth 2.0を使って多要素認証や条件付きアクセスをiOSアプリに実装できるという認識が広がった。ところがモバイルデバイス管理(MDM)サーバでアクセスコントロールの機能を動作させることはできなかった。
iOS 12では、MDMツールでMicrosoft Exchangeのペイロードを利用できるようになったため、開発者はアクセスポリシーを適用し、「Exchange ActiveSync」のアカウントをデバイス上で設定可能だ。iOS 12では、MDMの登録プロセスにおいてIT管理者がExchangeプロファイルを有効にすれば、OAuth 2.0のプロトコルが利用できる。これによりExchangeアカウントを持つユーザーは、OAuth 2.0を使ってアプリケーションにログインできるようになる。
iOS 12のデバイスで、iOSのネイティブメールアプリのアカウントや「Apple Mail」にOAuth 2.0の機能を開発者が実装すれば、ユーザーはiOSのカレンダーアプリでアラート機能を使ったり、全てのメールを1カ所に送信したりできる。
インターネット技術の標準化団体であるIETF(Internet Engineering Task Force)は「Request for Comments」(コメント求む)の文書において、iOSのネイティブアプリでOAuth 2.0を利用する際の実装方法や、セキュリティリスクについて解説している。IETFは開発者に対し、認可コードフロー(iOSアプリへのアクセス権限を制御するためのベストプラクティス)を、Web閲覧などで一般的に使われる組み込み型のユーザーエージェントではなく、ブラウザなど外部のユーザーエージェントで実施することを推奨している。
外部のユーザーエージェントで認可コードフローを実施すれば、組み込み型のユーザーエージェントをホスティングしているアプリケーションは、ユーザーの認証情報を取得できない。つまりユーザーがフィッシング詐欺などのセキュリティリスクにさらされる危険を回避できる。ここでは、アプリケーションがURLと認証されたSSL証明書を表示することが重要だ。
OAuth 2.0を利用して、ソーシャルメディアアカウントでのアクセス認証を有効にした結果、AndroidとiOSの両デバイスでセキュリティが侵害されたケースが複数報告されている。開発者はソーシャルサインオンを正しく使い、ユーザーアカウントにアクセス権を付与する前に、クライアント認証のトークンを確認する必要がある。
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