EMMとのAPI連携で効率化が進む
「Android Enterprise」があればアップデートや業務アプリ配信がもっと簡単に?
「Android Enterprise」のAPIを使うと、エンタープライズモビリティー管理(EMM)ツールを使ったきめ細かなAndroidデバイス管理が可能になる。何ができるのかを簡潔にまとめた。
モバイルデバイス管理者は「Android Enterprise」のAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を通じて、エンタープライズモビリティー管理(EMM)ツールによる「Android」の管理機能を強化できる。Android Enterpriseは、Googleが企業向けに提供するAndroidデバイス管理の仕組みだ。
Android EnterpriseのAPIで利用できるさまざまな管理機能は、セキュリティやユーザーエクスペリエンス(UX:ユーザー経験価値)を向上させる。IT部門はAndroid Enterpriseの機能でデータを保護し、デバイス内のWebブラウザやアプリケーションを構成できる。ただし、こうした管理機能の一部は、特定の条件下でしか働かない。
管理者はAndroid EnterpriseのAPIを使うことで、EMMツールでアップデートを延期したり、Android用の社内プライベートアプリケーションを展開したりといったタスクを実行できる。
Android Enterpriseでアップデートを管理
Androidのアップデートを管理するには、以前は大変な苦労を要した。今では管理者は、アップデートをいつ、どのように展開するかを管理できる。
IT部門は、OSのアップデートをすぐに適用するか、設定した時間帯に適用するかを定義することが可能だ。ユーザーがデバイスを使っていなさそうな時間帯にアップデートが実行されるように設定する必要がある。一般的に、深夜や早朝が最良の選択肢だ。
IT部門は、アプリケーションのアップデートについても同様の選択をする。だがアプリケーションに関しては、アップデートがいつ実行されるようにするかを定義する方が得策だ。すなわちアップデートが無線LAN通信時にのみ実行されるようにするか、モバイルデータ通信時にも実行されるようにするか、のいずれかを選ぶことになる。
理想としては、IT部門はアプリケーションのアップデートをできるだけ早く実施できる状態を目指した方がよいだ。古いバージョンにはバグや脆弱(ぜいじゃく)性などの問題がある可能性があるからだ。だが同時に、アプリケーションをモバイルネットワーク経由で頻繁にアップデートすると、通信コストが膨らんでしまう場合がある。無線LAN通信時にのみアップデートされるようにすれば、この問題は避けられる。
高度なデータ漏えい防止機能
仕事用プロファイルを設定したAndroidデバイスは、ディスク内の暗号化された隔離領域に企業データを保存し、アプリケーションは独立したプロファイル内で動作する。
データ漏えい防止機能は、仕事用プロファイルからどのデータをやりとりできるかを判別する。IT部門は以下のコマンドを実装できる。
- 仕事用プロファイルと個人用プロファイルの間でのコピー&ペーストを防止する
- ロック画面通知を編集する
- 仕事用アプリケーションのスクリーンショットを許可しない
- 個人用アプリケーションでの仕事用ドキュメントの利用を許可しない
- 個人用アプリケーションとの間での仕事用ドキュメントの共有を許可しない
利用できる機能はもっとあるが、こうした制限はユーザーが仕事用のデータを共有するのを防ぐことを目的としている。通知の編集により、デバイスのロックを解除したユーザーだけが仕事用の通知を見られるようにもできる。こうすることで機密情報がデバイスのロック画面に表示されるのを防げる。
アプリケーションの管理機能も充実
Webブラウザ「Google Chrome」の管理は、Android Enterpriseによる構成管理の最も印象的な例の一つだ。Android管理者はホワイトリストとブラックリストを手動で設定し、Chrome向けのプロキシサーバを構成できる。ユーザーが特定のWebサイトにアクセスしないようにするには、IT担当者はブラックリストを適用すればよい。ホワイトリストは、特定のWebサイトのみにユーザーが訪問することを許容し、他のWebサイトへのアクセスを全てブロックできる。
Android Enterpriseはリリースされて以来、WebサイトやWebアプリケーションへのショートカット(以下、Webショートカット)を使えるようにしてこなかった。Webショートカットは、管理者が社内ポータルサイトや有用な企業リソースをデバイスにプッシュするのに役立つ機能だ。デバイスのホーム画面に置かれたブックマークと同等の機能を果たす。Android Enterpriseの新機能によってIT担当者は、公式アプリケーションストア「Google Play」を介したアプリケーション展開と同様に、Webアプリケーションを作成し展開できる。
IT部門はプライベートアプリケーション(アプリケーションストアで提供されない社内アプリケーション)を展開前にGoogle Playにアップロードできる。これまでこのプロセスは時間がかかり、プライベートアプリケーションの最初のアップロード時に1回限りの開発者向け料金として25ドルを支払う必要があった。
Android Enterpriseの新しいプライベートアプリケーションアップロード機能は、こうしたアプリケーションの展開には数分しかかからず、1回限りの開発者向け料金は不要になった。IT部門はGoogle Playへのアップロード後、ほぼすぐにプライベートアプリケーションを展開できる。
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