「仕事で使うデバイスくらい、自分で選びたい」という従業員の望みは、2008年の「iPhone」登場から11年たった今でも、十分にかなえられてはいない。状況を変え得る「VDI」「UEM」といった手段はあるが、課題もある。
前編「iPhone登場から11年 それでも『好きなデバイスを仕事で使う』が実現しない理由」では、企業のデバイス戦略が「BYOD」(Bring Your Own Device)から「CYOD」(Choose Your Own Device)へと傾いている現状と、CYOD推進に当たっての課題を整理した。BYODは従業員の私物デバイス持ち込みを認めること、CYODは企業の認定したデバイスの業務利用を認めることだ。
2008年の「iPhone」登場から11年たった今でも、企業におけるデバイス選択の自由度は高まっていない。状況を変えるには、CYOD/BYOD戦略を着実に前進させる必要がある。後編では、企業のCYOD/BYOD戦略を支える技術の現状を整理する。
デバイス管理の厳密さと、従業員の利便性のバランスを取る手段としてIT部門の選択肢に入るのが、「仮想デスクトップインフラ」(VDI)の構築だ。VDIでは仮想デスクトップをサーバでホスティングする。
VDIを利用すれば、デバイス内で私的利用と業務利用の領域を切り離すことができるとチョウ氏は説明する。従業員はインターネットを利用できれば、どんなデバイスでも仮想デスクトップへアクセスして、オフィスにいる時と同じようにビジネスアプリケーションとOSを利用できる。IT部門はデバイスを管理するのではなく、ビジネス運用を仮想的に管理できる。
さまざまなデバイスを接続し、一貫したやり方で一元的に管理できる「統合エンドポイント管理」(UEM)も、効率的なデバイス管理に大いに役立つ。デバイスの一貫した管理の実現は、IT管理者にとっての最重要課題になっている。調査会社Enterprise Management Associatesが実施した2018年の調査では、企業のビジネスプロフェッショナルの75%が、全デバイスを一貫したやり方で管理できることについて「重要」あるいは「非常に重要」と回答した。
ただしVDIやUEMは万能ではない。
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いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
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