2008年の「iPhone」登場から11年がたった今、企業のデバイス活用戦略が岐路に立っている。企業が認定したデバイスの業務利用を認める「CYOD」を検討する動きもあるが、そこには依然として課題がある。
「Windows」「iOS」「Android」デバイスと「Chromebook」、そして将来的にはIoT(モノのインターネット)デバイスのさらなる増加が予想される。こうした中、企業が従業員の私物デバイス持ち込みを認める「BYOD」(Bring Your Own Device)戦略の導入には課題が山積している。
企業にとって従業員のエクスペリエンスの重要性が増す中で、従業員が好むデバイスおよびOSを使用できる選択肢を提供する以外、IT部門にとっての選択の余地はほとんどない。
米調査会社Enterprise Management Associates(以下、EMA)の調査ディレクター、スティーブ・ブレイゼン氏によると、BYOD戦略から、企業が認定したデバイスの業務利用を認める「CYOD」(Choose Your Own Device)戦略へと傾いている理由はそこにある。
ブレイゼン氏は「2008年の『iPhone』登場から11年がたった。あれがデジタル革命の始まりだった」と指摘。モバイルデバイスの世界における10年以上のイノベーションが「かつてPCの管理に頭を悩ませていたIT管理者の状況を一変させた」と言い添える。
多種多様なデバイスやOSを企業で管理する場合、従業員が持ち込む私物のデバイスではなく、会社が支給するデバイスの中から選んでもらった方が、複雑性は軽減される。「ほとんどの企業はデバイスを購入して従業員に支給し、業務用途を越えた使用を認めている」とブレイゼン氏は語る。
IT管理者は今、単一のデバイスではなく、複数デバイスの環境を管理する課題に直面している。企業のビジネスプロフェッショナルを対象にEMAが実施した2018年の調査によると、回答者の90%はノート型デバイスやデスクトップPCを仕事に使っていると答える一方で、50%以上はモバイルデバイスも仕事に使っていた。モバイルデバイスを使うその50%あまりのユーザーのうち、91%はスマートフォンを使用し、タブレットは34%、その両方は26%だった。
こうした複雑性は増大の一途をたどる見通しだ。IoTデバイスが企業内で普及する中、IT管理者には多様なデバイス環境をどう活用し、どうセキュリティを確保するかに関して創造性が求められる。
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