ガートナーのイベントにおけるメルカリの松田 慎太郎氏の基調講演から、同社における分析の組織と文化の作り方についてまとめた。製品選定の話ではないが、分析を社内に根付かせる上で参考になるはずだ。
日本および米国でフリーマーケットアプリケーション(以下、フリマアプリ)を提供するメルカリが大切にするのは「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」というミッションと以下の3つのバリューだ。この価値観は、メルカリの分析組織にも深く浸透している。
ガートナー ジャパン主催イベント「ガートナー データ & アナリティクス サミット 2019」の基調講演に登壇した、メルカリの分析組織を率いる松田 慎太郎氏によれば、同組織は日本のプロダクトチームの中にある。メルカリは職能軸とプロジェクト軸が交差するマトリクス組織を採用しており、アプリをより良いものに改善するため、アナリストはエンジニアやデザイナーらと共にプロジェクトに所属し、データを基に「こうしたらいいのでは?」と改善策を提案する役割を担う。
個々のアナリストの力を引き出し、分析組織全体のアウトプットを最大化するための大前提となるのが、データドリブン文化の組織への浸透である。メルカリの展開するフリマアプリは、現時点でダウンロード数が日米で約1億件、毎月の売買金額が300億円以上を誇るが、さらなる成長に向けてどんな打ち手があるかを考えたとき、答えは必ずしも明確ではない。スマートフォンアプリによるC2C(個人間取引)という市場そのものを自ら率先して切り開いてきたメルカリには、参考にできるような過去の成功事例がない。だからといって行き当たりばったりの施策も選択できない。「施策の打率を上げる」ためには、社内に豊富にあるユーザーの利用ログやアンケート調査の結果などのデータからヒントを得ることが不可欠なのだ。
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