「コンピュータビジョン」が実店舗にもたらすメリット【前編】
無人コンビニAmazon Goも活用 「コンピュータビジョン」が買い物を変える
「コンピュータビジョン」は、小売業者がレジ会計や買い物の動線の改善に活用できる。無人コンビニ「Amazon Go」も活用しているコンピュータビジョンの可能性に迫る。
Eコマース(EC)が登場しても、実店舗を構える小売業者が姿を消すことはなかった。例えば市場調査会社Statistaの報告によれば、全米の2018年第4四半期の小売販売売上で、ECが占める割合はたった9.9%だったという。市場の状況を受けて、EC大手のAmazon.comも幾つかの実店舗の運営を手掛けるようになっている。
一方でWalmart、Target、Best Buyなどの実店舗を構える小売業者がECに本格参入している。こうした企業にとって、ECの売上を大きくするだけでは十分とはいえない。もう一つの目標は、実店舗で買い物する際のカスタマーエクスペリエンス(CX:顧客経験価値)を向上させることだ。
この目標を達成する上で重要な役割を果たすのが、人工知能(AI)技術だ。AI技術の一つであり、画像処理を通じてその内容を認識し、理解する「コンピュータビジョン」は、小売業者での導入が進んでいる。小売業者がCXの向上に取り組む上で、店舗でのコンピュータビジョンの使用がどう役立つかを詳しく見てみよう。
コンピュータビジョンが買い物時間を短縮
多忙な日々を送る人が望むことは、日常の仕事を迅速に済ませることだ。そうすれば、生活を楽しむ時間を捻出できる。多くの人にとって、これはECがもたらす大きなメリットの一つだろう。コンピュータビジョンを使用して店舗での体験を向上させることは、実店舗を構える小売業者が顧客をつなぎ留める方法になる。
いかに買い物の効率を高めるように商品を配置するかは、小売業者がずっと抱えてきた課題だ。棚の商品レイアウトを改善すべく、長期にわたって分析システムを使用してきた小売業者は珍しくない。こうした分析システムで実行可能なマーケットバスケット分析をはじめとする分析手法は、購入したときのパターンしか分析できないことが一般的だ。
分析システムにコンピュータビジョンを組み込むと、買い物客の店内での動きを追跡して、ヒートマップを作成するといったことが可能になる。小売業者はこのようなヒートマップを基に、店内の人の流れをより正確に分析して、買い物の効率が上がるレイアウトの特定につなげることが可能だ。買い物客がレジで購入した商品を追跡するだけではなく、買い物客が関心を示しても購入しなかった商品の分析にも使用できる。そのため、購入パターンに関する独自の洞察が得られるメリットがある。
店舗のレジも、コンピュータビジョンを導入することで効率化できると考えられる。有人レジでもセルフレジでも、商品のバーコードを正確に読み取れない問題が発生すると、会計に時間がかかることがある。コンピュータビジョンの要素技術である画像認識技術の認識精度がさらに向上すれば、画像認識機能がレジシステムに組み込まれ、商品を素早く認識して、レジに記録できるようになる。
Amazon.comが展開するコンビニエンスストア「Amazon Go」は、更に進歩している。Amazon Goはコンピュータビジョンと機械学習を併用して、顧客が棚から手に取った商品を自動で会計処理し、レジでの精算プロセスを完全になくしている(写真)。
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「コンピュータビジョン」が実店舗にもたらすメリット
AI技術の一つ、「コンピュータビジョン」が小売業界に導入されつつある。実際の利用例から、コンピュータビジョンのメリットを探る。
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