5Gを医療機関のネットワークとして生かせる可能性がある。5Gの実用化に向けて、CIOが今から備えておくべきこととは何だろうか。
無線ネットワークの新規格である「5G」(第5世代移動体通信システム)の影響が医療機関に及ぶのはまだ先になる見込みだが、医療機関の最高情報責任者(CIO)は5Gの利用計画を今から立てておく必要がある。
Verizon CommunicationsやAT&Tのような通信事業者が一部地域で5Gのサービスを始めている。調査会社Gartnerでシニアプリンシパルアナリストを務めるビル・メネゼス氏は次のように語る。「5Gは、『4G』(第4世代移動体通信システム)のような現行の無線ネットワークよりもデータ伝送速度がはるかに高速で、遅延時間が短く、同一のセル(基地局の電波が届く範囲)で利用できる端末数が多くなる。5Gが医療機関にどう影響するかは、その使い方に左右される」
5Gは医療機関にどのようなメリットをもたらすのか、メネゼス氏に詳しく聞いた。
―― 医療機関のCIOが5Gに注目すべき理由を教えてください。
ビル・メネゼス氏(以下、メネゼス氏) 5Gが生きるのは遠隔手術のような高度な技術が求められる用途だけではない。有線ネットワークの代わりに無線ネットワークを使用することで実用性が高まる用途にも、その力を発揮する。例えば機器や人の動きを追跡するために、監視用センサーなどのIoT(モノのインターネット)端末を大量に導入する医療機関は少なくない。5Gは端末の密度が高い環境でも支障なく利用できるので、Wi-Fiや4GよりもIoT端末の導入に適した無線ネットワークとなるだろう。
―― 医療機関のCIOが5Gに向けてどう備えるべきかを教えてください。
メネゼス氏 5Gの導入を検討する際は、以下の要素を評価しておきたい。
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