「モバイルBIアプリ」ならではの強みを生かすとはどういうことかベンダーに課題を残すモバイルBI【後編】

PC向けBIアプリのユーザーインタフェースをモバイルデバイスに無理に移植しようとしてもうまくいかない。そうであればむしろ、モバイルデバイスならではの新しい体験を作ることを目指すべきだ。

2020年01月31日 05時00分 公開
[Eric AvidonITmedia]

 2008年に、ビジネスインテリジェンス(BI)ベンダーのYellowfin Internationalは同社初のモバイルアプリケーションを発表した。そのアプリは一度だけ更新されたが、多くのエンドユーザーを引き付けることはなかった。

 最近、YellowfinはそのモバイルBIアプリを徹底的に見直した。デスクトップでのエクスペリエンス(経験価値)を再現するのではなく、ソーシャルメディアに外観や動作がよく似たユーザーインタフェース(UI)に変えた。そのUIは、最も関連性が高いと見なされる情報を強調し、モバイルユーザーが見やすい方法で表示するようになった。

 YellowfinのCEOグレン・ラビエ氏によると、モバイルBIアプリが効果を発揮する可能性が高いのは、そのコンテンツやエクスペリエンスの提供がモバイルデバイス固有の設計になっている場合に限られる。「デスクトップのダッシュボードエクスペリエンスをスマートフォンに強引に押し込めようとしてはならないことに気付いた」とラビエ氏は話す。

 MicroStrategyもモバイルアプリに積極的に投資しているBIベンダーだ。同社は2009年にモバイルBIアプリの開発を始めた。同社で製品マーケティング部門のシニアバイスプレジデントを務めるヒュー・オーウェンは「当社は常に、できるだけ多くのユーザー企業に、場所を問わずにインテリジェンスを提供することに力を注いでいる」と主張。モバイルBIアプリのおかげで「デスクトップのBIアプリを見ることがないエンドユーザーに、BIという武器を与える新たな機会がもたらされる」と説明する。

モバイルBIアプリとデスクトップBIアプリは別者だと考えるべし

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