Microsoftの新しいターミナル「Windows Terminal」は、これまでのコマンドラインツールと何が違うのか。まずは理解に必要な「コンソール」「シェル」「ターミナル」の基本的な違いをおさらいしよう。
Microsoftが公開したオープンソースのターミナル「Windows Terminal」は、管理者が日々の作業で使用する管理ツールの使い勝手を向上させる。これまでの「Windows」標準のコマンドラインインタフェース(CLI)ツールが物足りなかったユーザーにとって、利用してみる価値のあるターミナルだ。
Windows Terminalは、Microsoftが2019年5月開催の開発者イベント「Microsoft Build 2019」で発表し、2020年5月開催の「Microsoft Build 2020」で正式にリリースした。Windows Terminalを詳しく見る前に、まずはターミナルの基本を理解しよう。
ITの初心者は「コンソール」「シェル」「ターミナル」という用語に混乱する可能性がある。これらの専門用語は、コンピュータの登場当初から使われている。これらの用語を全て同列に扱う人もいるが、それぞれの意味は厳密には異なる。各用語の意味を知れば、Windows Terminal全体をきちんと理解するのに役立つ。
ユーザーに最も近い存在と言えるのがターミナルだ。これはメインフレームの用語に由来する。メインフレームなどの大型コンピュータの場合、ユーザーはこれらを直接操作するのではなくキーボードやモニターを接続して操作する。このキーボードやモニターのセットをターミナル(端末)と呼ぶ。今ではターミナルは、基本的にはシェルのラッパー(あるプログラムを内包して互換性を持たせるためのプログラム)を指す。この場合は、より正確には「ターミナルエミュレータ」(端末エミュレータ)と呼ぶ。
ターミナルは幾つかのシェルを実行できる。ただし重い作業は一切担わない。ターミナルの役割は、ユーザーとシェルのやりとりを円滑にすることにある。ターミナルはキーボード入力をリッスン(外部からの接続に備えて待機している状態)し、シェルに伝え、シェルの応答をユーザーに対して出力する。
シェルは、ターミナルから受けた指示に従って作業する。つまりユーザーが入力したコマンドを解釈し、実行する。「PowerShell」「Bash」は代表的なシェルだ。
コンソールはコンピュータを制御するためのハードウェアを指す場合もあるが、Windowsの観点ではコンソールはターミナルと同じ機能を担う。このことが用語に関する混乱の原因となっている。Windowsのコンソールは1980年代後半から存在しており、「Windows 10」のコンソールの起源は1993年に発売された「Windows NT」までさかのぼる。
「Windows Terminal 1.0」は、次のような機能や特徴を備えている。
さまざまなシステム向けにさまざまなターミナルが提供されている。Windows Terminal以外の主なターミナルには、
などがある。Windows Terminalは、こうしたターミナルが備える主要な機能を網羅している。
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