ストレージの自動管理が現実的になってきた。現時点で入手・利用可能なツールを幾つか紹介する。
前編(Computer Weekly日本語版 11月4日号掲載)では、ストレージ管理の現状とAIOpsの可能性を紹介した。
後編では、ストレージの自動管理を実現するツールを幾つか紹介する。
豊富なデータソースとある程度のAIを組み合わせることで、システムのパフォーマンスと可用性を大幅に改善したと宣伝するサプライヤーもある。
Hewlett Packard Enterprise(HPE)の「InfoSight」は、最も高度な製品の一つといわれている。InfoSightはメンテナンスとパフォーマンスについて、10万個のシステムの3000万~7000万台のセンサーを監視する。
InfoSightは人間の介入なしに潜在的な問題の86%を検出して解決するという。HPEによると、InfoSightが解決した問題の54%はストレージ「以外」やスタック内の別の場所にあったという。現時点でInfoSightが連携するのはHPEの「Nimble」と「3PAR」のみだ。
Virtana(正式にはVirtual Instruments)もシステムパフォーマンス管理をリードする1社で、ハイブリッドアーキテクチャやプライベートクラウドに力を入れている。
この市場に参入しているサプライヤーはそれだけではない。クラウドベースの「Storage Insights」を提供するIBM、「Active IQ」を提供するNetApp、Hitachi Vantaraなどがよく知られている。
MicrosoftもREST APIを使った機能、Windows Serverで利用できる機能、「Microsoft Azure」の機能など、幅広い監視機能を提供している。これらはストレージ密度の高いサーバの実行に使われるプラットフォームだ。VMwareも、「VMware vSAN」向けのインテリジェント最適化ツールを通じて仮想化環境向けのツールセットを提供している。
こうした製品を組み合わせることで自社の環境を監視して最適化し、障害の発生を防ぐ強力なツールがCIO(最高情報責任者)に提供される。
とはいえ、業界は機器に依存しないインテリジェントなストレージ管理に向けた道のりの初期段階にある。
ESGのシンクレア氏は次のように語る。「このようなシステムの幾つかの予測機能は実に驚くべきものだ。一般に、インテリジェントシステムが提供するのはシステムのパフォーマンスや容量を最適化するための推奨事項だ。だが、これらのシステムは自己最適化のオプションを提供する」
「同様に、これらのシステムは自動的に問題を診断し、対応策も提案する。結果は環境に応じて変化する可能性がある。そのため予測機能の効果を主張するのは難しい。だが、自社製品に自信を持ち、例えば100%の可用性を保証するといった高いレベルの主張を行うサプライヤーもある」
こうした主張が立証されるかどうかはまだ分からない。サプライヤーは、より複雑なシステムよりもモノリシックで単一ベンダーの環境の方が信頼性の目標を達成しやすいだろう。
信頼性とパフォーマンスのメトリクスはワークロードやアプリケーションによっても異なる。信頼性よりも短期のパフォーマンスを優先するシステムは、ビジネスが必要とするものを提供していない可能性がある。
結果として、ストレージ分析は引き続き人間のアナリストと連携することになるだろうとして、IDCのバス氏は次のように語る。「システムには持続性のある信頼が必要だ。この技術が受け入れられるには、アシスタントとして機能する必要がある。自社のITインフラを全面的にAIに委ねる企業はほとんどないだろう」
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