コンピュテーショナルストレージ(Computer Weekly日本語版 2019年5月22日号も参照)は、ストレージに処理能力を付与する。従来のストレージアーキテクチャが現在のニーズに追い付いていないという意見に応えるものだ。
ストレージリソースとコンピューティングリソースとの間でデータを移動するのは効率が悪い。データ量が増えるにつれ、この移動はますますボトルネックになる。SNIA(Storage Networking Industry Association)は次のような見解を示している。「ストレージのアーキテクチャは、テープやフロッピーディスクの時代とほとんど変わっていない」
やや大げさかもしれないが、ストレージと処理は分かれているものという原則が、ほとんどの企業ITシステムの中核に残っている。高度な分析、ビッグデータ、機械学習、ストリーミングではこの点が問題になる。
利用可能な解決策は幾つかある。「SAP HANA」などのインメモリデータベースは、ストレージとのデータの移動を減らす。サーバフラッシュは、コントローラーとフラッシュストレージをホストのPCIバスに直接接続することで、ドライブとCPU間のSASインタフェースとSATAインタフェースを迂回(うかい)できる。
ソリッドステートストレージはデータ処理をストレージに近づけることで十分な速さを確保し、パフォーマンスを飛躍的に向上させる。「Hadoop」などのアプリケーションは分散処理を利用して既にこの方向に進んでいる。
コンピュテーショナルストレージはストレージメディアに処理能力を組み込む。これにより処理がCPUからオフロードされ、ストレージとCPU間のボトルネックが減少する。米カリフォルニア大学アーバイン校とNGD Systemsが行った調査によると、パフォーマンスが8〜9倍向上し、エネルギーが節約される可能性があり、大半のシステムでは最低でも2.2倍の改善が見られるという。
コンピュテーショナルストレージとは、ストレージメディアまたはコントローラーに多数のプロセッサ(CPU)を搭載するストレージサブシステムを指す。コンピュテーショナルストレージドライブ(CSD)とも呼ばれ、コンピュテーショナルストレージサービスをまとめて提供する。データではなく、データの処理をプロセッサに移動するというのがその考え方だ。
考え方としては、CSDを使って一部のワークロードをプリエンプトし、メインCPUに渡されるデータを減らそうというものだ。場合によってはメインCPUが実行すべきタスクが少なくなることもある。
その一例が人工知能(AI)ベースの監視システムだ。
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