5Gをはじめとする無線通信技術に対する健康上の懸念は根強い。独立機関のICNIRPは2020年版のガイドラインを公開し、このガイドラインに準拠すれば健康リスクはないと結論付けた。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP:International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection)は、広く認められる標準に準拠していれば、5G技術には過度の健康リスクは特にないと結論付けた。
ICNIRPは、非電離放射線(NIR)による有害な影響から人々と環境を守るために科学的助言とガイダンスを提供する独立機関だ。
ICNIRPは、AMラジオやDABラジオ(訳注)、Wi-Fi、Bluetooth、3Gや4Gの携帯電話だけでなく今後普及するであろう5Gも対象とし、さらなる高周波への防護改善を見据えた7年間の調査を経て無線周波数電磁界にさらされる人間の保護に関する新しいガイドラインを発行した。
訳注:DAB(Digital Audio Broadcast)は主にヨーロッパの一部とオーストラリアで使われているデジタルラジオ規格。
ICNIRPが無線周波数電磁界の有害な影響からの防護に関する国際的ガイドラインを最初に発行したのは1998年のことだ。
2020年のガイドラインでは主に、5Gによる悪影響に関連して6GHzを超える周波数について変更が加えられている。こうした変更点には、全身への影響に関する制約の追加、身体の小さな部位への短時間(6分未満)の影響に関する制約の追加、身体の小さな部位への許容最大放射線量の低減などがある。
この新しいガイドラインを策定するに当たって、ICNIRPは一部のコミュニティーが抱いている5Gの安全性に関する懸念を認識していることに触れ、最新ガイドラインによって人々が安心感を得られることを期待していると述べている。
「このガイドラインは、関連する全ての科学文献、科学セミナー、広範な公開協議プロセスを徹底的に再検証した上で練り上げている」と話すのは、ICNIRPの委員長を務めるエリック・ファン・ロンゲン氏だ。
「ガイドラインは、100kHzから300GHzの範囲のEMFに起因すると科学的に実証された、健康への全ての悪影響からの保護を示している。改訂に際して1998年に公開したガイドラインの妥当性も見直した。前版の多くのケースは保守的で、最新技術に対しても適切な保護をそのまま提供できるだろうと考えている」と同氏は話す。
「今回の新しいガイドラインでは特に、6GHzを超える高周波帯における人体への影響に対する優れた詳細なガイダンスを提供している。このガイダンスは5Gだけでなく、さらに高周波を使用する将来の技術にとっても重要になる。人々に覚えてほしい最も重要な点は、この新しいガイドラインに準拠していれば5Gは健康被害を引き起こさないということだ」(ファン・ロンゲン氏)
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