「安全なWeb会議」の実現方法【後編】
私物のWebカメラやヘッドセットは危険の温床? 「Web会議」のセキュリティ対策
安全なWeb会議を実現するには、Web会議ツールに加えて、WebカメラやヘッドセットといったWeb会議用デバイスのセキュリティ確保が欠かせない。どのような施策が有効なのか。
前編「“危ないWeb会議”を防ぐには『従業員研修』だけでは駄目なのか?」に続き、Web会議のセキュリティ確保に必要な考え方と行動を解説する。Web会議ツールを利用する企業が実施すべきセキュリティ対策は多岐にわたる。Web会議を開くのに必要なデバイスやインフラだけでなく、エンドユーザーの行動もセキュリティを意識したものでなければならない。
チャットログ、共有ドキュメント、ホワイトボードの画像、会議の録音・録画データなど、Web会議ではさまざまなデータが発生する。こうしたデータをどこにどう保存するかという問題は、Web会議の懸案事項の一つだ。
医療や金融といったプライバシー規制が厳しい業種では、一定期間の通信記録保管や監査への対処などの要件を考慮しなければならない場合がある。「Web会議中に共有したり作成したりするデータに関するコンプライアンス要件の策定が必要だ」と、調査会社Metrigyでアナリストを務めるアーウィン・レーザー氏は指摘する。
私物Webカメラが“セキュリティホール”に?
Web会議ツールの中には、セキュリティ認定やコンプライアンス認定を受けていないものもあるため、規制の厳しい業種の企業がWeb会議ツールを利用する際は注意が必要だ。例えばWeb会議ツール「Zoom」は監査制御、アクセス制御、認証を中心に、米国の「HIPAA」(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令)に準拠するセキュリティ要件を満たす。
データの送信先と保存先についても気を付ける必要がある。「Web会議ツールベンダーは、Web会議のデータをやりとりする経路の開示に積極的に取り組んでいる」と、調査会社Let's Do Videoの創立者デービッド・マルドー氏は話す。
従業員が自宅でWeb会議に参加する際に、WebカメラやヘッドセットといったWeb会議デバイスとして、個人で購入した消費者向けWeb会議用デバイスを活用することもあるだろう。これもWeb会議のセキュリティ問題の原因となる。「企業のIT部門がこうした消費者向けWeb会議デバイスを制御、管理することは困難だ」とレーザー氏は注意を促す。例えば従業員が自宅で使用するデバイスのファームウェアに脆弱(ぜいじゃく)性があれば、何者かがそのデバイスに不正アクセスしてWeb会議を盗聴する危険性がある。
IT部門が管理し切れない脆弱なWeb会議デバイスを攻撃の糸口にされないようにするには、何をすればよいのか。「セキュリティ要件を満たすデバイスをIT部門で購入、配布し、一元管理でパッチやアップデートを適切なタイミングで適用できるようにするとよい」とレーザー氏はアドバイスする。
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