Web会議の録画データの扱い方ガイド【後編】
ZoomなどのWeb会議の「文字起こし」にセキュリティ対策が必要な理由
企業がWeb会議を録画する際、セキュリティを確保する必要があるのは、Web会議の映像そのものだけではないという。どういうことなのか。守るべきものとは。
Web会議の録画データは、企業にとって注意して扱うべき情報資産だ。中編「Zoomなどの『Web会議』の録画データへのアクセスは誰に許可すべきか?」に続き、Web会議の録画データをセキュアにする6つのセキュリティ対策のうち、4~6つ目を説明する。
併せて読みたいお薦め記事
Web会議の録画データに対する懸念
Web会議ツールのリスク
4.「トランスクリプション」(文字起こし)もセキュアにする
エンドユーザーが動画を見ずに録画データの情報を参照できるようにするために、録画データの文字起こし機能を備えるWeb会議ツールもある。「避けなければならないのは、エンドユーザーがトランスクリプション(文字起こししたテキスト)をコピーして、許可されていないデバイスに保存したり送信したりすることだ」と、調査会社Gartnerのバイスプレジデント兼アナリストのアダム・プリセット氏は言う。
Web会議のトランスクリプションを入手した悪質なエンドユーザーは、トランスクリプションの内容を書き変えて、録画データ中の発言とは違うものにする危険性がある。企業は録画データとトランスクリプションの両方を所定のデバイスにのみ保存することを従業員に徹底させなければならない。
5.何でも録画することは避ける
Web会議を全て記録する必要はなく、全てのWeb会議で通話が必要なわけでもない。取引先に連絡を取るためにビデオ通話をする場合でも、必ずしもその通話を記録する必要はない。
「通話を記録するのは、その必要があるからだ」と、コンサルティング企業Biz Technology Solutionsの共同創業者ラダ・シュファーニ氏は話す。懸念すべき問題があり、後で参照するために通話を記録しなければならない場合が当てはまる。
コールセンター業務など、職種によっては全ての通話の録音が義務付けられている。企業はどのような場合にWeb会議を録画しなければならないのかを従業員に説明する必要がある。Web会議の録画に関する明確なポリシーの作成も重要だ。一般的に、記録するかどうかは部門の責任者が最終判断を下す。
6.法人向けかコンシューマー向けかを選択する
企業がセキュリティを保つためには、法人向けのWeb会議ツールを選ぶことが望ましい。法人向けの製品であれば、従業員が製品/サービスの利用をある程度コントロールできる。
プリセット氏によると、一般的な法人向けWeb会議ツールは録画データの保持ポリシーを設定できる。法人向けWeb会議ツールは、ユーザー企業の設定に応じて録画データを保存する。対してコンシューマー向けWeb会議ツールにはそうしたポリシーを設定できないことがほとんどだ。
録画データの文字起こしといったプロセスをより簡単にする手段を求めて、Web会議ツールベンダー以外のサードパーティー製品を導入する企業もある。そうしたサードパーティー製ツールは、法人向け製品と同様のポリシー設定ができない場合もあるため注意が必要だ。
サードパーティー製ツールを業務に取り入れたければ、セキュリティ責任者や部門責任者に相談するとよい。「導入済みの製品/サービスの中に、要件を満たしつつ安全を確保できるものがあるかどうかを確認することも欠かせない」とプリセット氏は助言する。
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