Web会議ツールのカスタマイズ機能は「バーチャル背景」だけではない。主要なカスタマイズ機能と、それらをビジネスに役立てる可能性を探る。
「Web会議」は一般的な会議の方法として定着しつつある。今ではさまざまなベンダーが快適なWeb会議ツールを提供し、「Web会議疲れ」を軽減する新しい方法を模索している。会議の臨場感を高めるのに、Web会議ツールのカスタマイズ機能を活用しようとしているベンダーもある。
Web会議ツールのカスタマイズ機能には、バーチャル背景、電子透かし、ロゴ表示、アニメーションなどがある。全てのWeb会議にこれらのカスタマイズ機能が必要になるわけではないが、これらの機能があると組織外のメンバーとの会議に役立つ。Web会議でブランドを印象づけたいと考える企業もあるからだ。市場調査会社Let's Do Videoの創業者デビッド・マルドー氏は「カメラ映りが良いだけでは、もはや十分ではない。Web会議では、目立ち、覚えてもらわなければならない」と指摘する。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)で、バーチャル背景機能が一気に普及した。会議で気を散らさない方法や、自分の映像の見た目を洗練させる方法、自宅の様子を隠す方法をユーザーが求めたからだ。時にはユニークなバーチャル背景を使ってふざけることもできた。
企業は自社のブランドイメージをあしらったバーチャル背景を、全従業員がWeb会議で使えるようにすることができる。これにより「一貫したプロフェッショナルなイメージを全社的にアピールすることが可能だ」と、調査会社Metrigyのプリンシパルアナリストであるアーウィン・ラザー氏は説明する。
Web会議ツールのカスタマイズ機能の中には、プレゼンテーション資料を従来の画面共有機能で共有するのではなく、背景として共有する機能もある。ユーザーは背景に映る内容について話している様子を、他の参加者に見せることができる。この機能を使うと、より臨場感のある会話が可能になる。「プレゼンテーション資料を直接共有する感覚に近い」(マルドー氏)
Zoom Video Communicationsは2020年に、プレゼンテーションツール「Microsoft PowerPoint」で作成したスライドをバーチャル背景として共有する機能をWeb会議ツール「Zoom」で利用できるようにした。ユーザーは画面に表示する自分の映像のサイズと位置を変更したり、スライドを管理したりできる。
Microsoftが2020年にユニファイドコミュニケーションシステム「Microsoft Teams」に導入した「Together」モードでは、講堂やカフェを模した仮想空間で会議参加者が一堂に会することが可能だ。Microsoftによると、この機能を使えばWeb会議疲れを軽減できる可能性がある。参加者があまり気を散らすことなく、より自然な会議ができるからだ。
「Togetherモードのいいところは、グリッド(格子状)に表示された各会議参加者を見るために視線をあちこちに動かすことなく、一目で全員が見えることだ」とラザー氏は語る。Zoomにも2021年4月に、同様の機能「イマーシブビュー」(没入型ビュー)が実装された。
ラザー氏は今後実用化される可能性があるカスタマイズ機能として、仮想ロビー(待機室)を使ったブランディングを挙げる。仮想ロビーに置いたデジタルディスプレイで、会議に関連する情報や、ヘルプデスクやチャット機能などへのリンクを提供するといった機能が考えられるという。
後編はサードパーティーのツールを活用したWeb会議のカスタマイズについて考察する。
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