Web会議ツールの意義と課題【後編】
「Web会議」ツールを使い倒して問題を招く前に、最低限検討したい4つのポイント
Web会議ツールの機能強化は仕事に役立つ便利なことばかりではなく、コンプライアンスやガバナンスの観点で新たな検討事柄を生むこともある。コンプライアンスやガバナンスの強化に通じる4つのポイントを解説する。
中編「『Web会議』ツールの有料版が欲しくなる、仕事の質を引き上げる4大機能」は、有料Web会議ツールのビジネスメリットや有用なオプション機能を紹介した。テレワークの普及とともにWeb会議ツールの機能強化が進んでいる。ただしWeb会議ツールの機能強化はいいことずくめではない。新機能の実装に伴って新たな問題を招いてしまうこともある。そのためにITリーダーやコンテンツマネジャー、コンプライアンス責任者はWeb会議ツールを全面導入する前に、十分な検討と準備をする必要がある。
例えばWeb会議ツールは次のような課題をもたらし、懸念を呼び起こしている。
併せて読みたいお薦め記事
「Cisco Webex」「Zoom」「Microsoft Teams」のどれを選ぶか
- 「Zoom」「Teams」「Webex」使うならどれ? Web会議ツールの選び方
- 「Zoom」の真のユーザー数は分かるのか? 競合の「Teams」「Webex」は?
- 「Teams」がZoomを教訓にセキュリティ強化 それでも感じる不足とは
Web会議ツールのアップデート
課題1.会議のセキュリティ確保
攻撃者はWeb会議ツールの利用拡大に便乗し、会議に侵入して混乱を引き起こす攻撃を仕掛けている。2020年はこの動きが顕著だった。インターネットユーザーがWeb会議ツール「Zoom」での会議に乱入して迷惑行為を働く問題が度々メディアに報じられ、開発元のZoom Video Communicationsは厳しい視線にさらされた。世界中のIT幹部は、社内のWeb会議のセキュリティに不安を感じた。
幸いなことに、今ではこうしたWeb会議ツールは、所定のエンドユーザーだけが参加できるプライベート会議を設定できるようにするといった対策を施している。他の対策としては、会議にアクセスするためのパスワードの設定や、主催者の承認がなければゲストの参加を自動的に許可しない仕組みなどがある。
課題2.法規制の順守
Web会議のコンプライアンスや、録画データへのアクセスに関する懸念も生じている。米国ではコンプライアンスの観点から「さまざまな州法により、一部の会議の録画は、参加者全員が承認しなければ違法と考えられるのではないか」という懸念が広がっている。Microsoftは「Microsoft Teams」でこの懸念に対処し、会議を録画する際に確認のための通知が出る仕組みを実装済みだ。
企業は、録画内容の保存やアーカイブに関する問題にも取り組まなければならない。例えば医療機関は患者関連のデータを、患者の性別に応じて7~12年間保存する必要がある。そのデータの保存方法は、HIPAA(米国医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令)に準拠していなければならない。
課題3.新たに作成されるデータの整理
録画した会議から新たに生成されるコンテンツも、新しい問題をもたらす。これらはエンドユーザーに提供する情報の整理と分類に関わる問題だ。例えば録画した動画の一部はトレーニングコンテンツになり、別の一部はプロジェクトレビューに、さらに別の一部はチームミーティングに使われる。コンテンツの種類にかかわらず、コンテンツマネジャーはデータガバナンスを計画、定義し、情報を安全に保ち、従業員が必要なときに簡単にアクセスできるようにしなければならない。
課題4.ポリシーの策定
コンテンツマネジャーは、こうした新しいコンテンツの種類とソースに関する計画を立てる必要がある。新しいポリシーを策定し、会議で新たに作成される動画、音声、テキストファイルにそれらのポリシーを適用し、管理しなければならない。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[サイボウズ株式会社] DXに必要な「Dスキル」「Xスキル」を持った人材を育成するには? -
市場調査・トレンド
[サイボウズ株式会社] データで見る、DXが「順調に進む企業」と「つまずく企業」の違い -
製品資料
[サイボウズ株式会社] 賛否が割れがちな「Notesからの移行」 新環境への移行を納得してもらうには? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] 農林中金に学ぶ内製開発 処理効率を約2倍に高めAI活用も加速させた方法とは? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] NTTグループのデジタル変革術、17万人が利用する決裁プロセス刷新の全貌
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
2
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
3
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
4
AI基盤は本当に「オンプレ回帰」する? Broadcomの言い分と企業の本音
-
5
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
6
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
7
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
-
8
エンジニアが選考を辞退する本当の理由 7割が隠す“面接の違和感”とは
-
9
「コピペ運用の限界」に直面するAI活用 7割超が“別画面”のまま使う理由は?
-
10
無駄なWeb会議で組織が疲弊する 8割が導入する「非同期ツール」の選定基準
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
5
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
6
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
7
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
8
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
9
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー