「OTシステム」を狙った攻撃の脅威【前編】
産業用システムが“殺人兵器”に Gartnerが明かす「『OT』が危険化する理由」
Gartnerの報告書によると、企業はITシステムへの攻撃よりも「OT」システムへの攻撃に目を向ける必要がある。OTシステムにはどのような危険性があるのか。
調査会社Gartnerは、OT(制御技術)システムのセキュリティに関する報告書「Reduce Risk to Human Life by Implementing this OT Security Control Framework」を公開した。OTシステムへの攻撃は人命に関わるリスクをもたらす。そのためITシステムに対する攻撃よりも重大であり、企業はその重大性をセキュリティの優先度に反映する必要があると、同報告書は指摘する。
Gartnerでリサーチ担当シニアディレクターを務めるワム・ボスター氏は、「2025年までに攻撃者がOTシステムを『兵器化』して人に危害を加えたり、人命を脅かしたりできるようになる」と予測する。2021年に石油パイプライン事業者Colonial Pipelineが受けたランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃や、米フロリダ州オールズマー市の水処理施設システムが受けた不正遠隔操作などのインシデントが示すように、OTシステムへの攻撃は現実世界に危険をもたらす。
Gartnerが明かす「OTシステムが危険化する理由」
OTシステムへの攻撃が、近年勢いを強めてきた要因とは何か。ボスター氏はその一つとして、OTシステムがネットワークとつながるようになってきたことを挙げる。かつてOTシステムは、オフィスや取引先から物理的に分離されていた。それらとOTシステムがネットワークを介して接続するようになったことで、脅威が露呈したと同氏は説明する。
報告書によると、OTシステムへの攻撃はランサムウェアなど従来の攻撃よりはるかに危険な攻撃へと進化しており、産業用システムそのもののセキュリティを脅かし始めている。このような暗い未来を予想する一方で報告書は、OTシステムへの攻撃に立ち向かうための対策も提示する。
OTシステムへの攻撃が増えると、そのOTシステムや人命に及ぶリスクも増える。「セキュリティとリスク管理の責任者は、データより現実世界に及ぶ危険への対策に比重を置かなければならない」とボスター氏は主張。こうしたリスクに対処するためのOTセキュリティフレームワークを実装する必要があると説明する。
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