Webアプリケーションの開発に役立つ仮想アプライアンスには、どのようなものがあるのか。「LAMP」「Jenkins」「WildFly」を利用可能な無料の仮想アプライアンスと、無料であることによる注意点を説明する。
「仮想アプライアンス」は特定のアプリケーションを実行するために必要な機能を備えたソフトウェア群だ。これを利用すると、IT担当者はデータ分析やWebアプリケーション開発などの用途のためのアプリケーションを容易に開発し、実行できる。前編「無料で使える、『WordPress』をすぐ利用できる仮想アプライアンスとは?」に引き続き、VMware傘下のBitRock(Bitnamiの名称で事業展開)の製品を例に、無料で利用可能な仮想アプライアンスを紹介する。加えて無料の仮想アプライアンスを利用するときの難点を整理する。
「Bitnami LAMP Stack」はサーバOS「Linux」用アプリケーションを作成するための仮想アプライアンスだ。「LAMP」と呼ばれる以下のソフトウェアとミドルウェアで構成される。
「Jenkins」はアプリケーションの開発とテスト、デプロイ(配備)のプロセスを自動化できる。そのためアプリケーションの改変を繰り返す「CI/CD」(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)に基づくソフトウェア開発に適している。すぐに使えるサーバを用意できることもメリットだ。ソースコード共有サービス「GitHub」と連携させれば、GitHubにソースコードを登録すると自動的にビルド(ソースコードから実行可能なプログラムへの変換)を実行できる。「Bitnami Jenkins Stack」は、Jenkinsを容易に利用可能にした仮想アプライアンスだ。
仮想アプライアンス「Bitnami WildFly Stack」の中核要素である「WildFly」は、Red Hatのソフトウェア開発コミュニティーのJBossが提供するアプリケーションサーバ。プログラミング言語および開発・実行環境「Java」の業務アプリケーション向け仕様群「Java EE」(Java Platform, Enterprise Edition)に準拠している。起動の高速さや動作の安定性を重視しており、メモリ使用量を最小限に抑えるメモリ管理機能を提供する。
無料の仮想アプライアンスを使うことに難色を示すIT管理者もいる。考慮すべき難点は、無料ソフトウェアでは問題が発生したときにサポートサービスを利用できない場合がある点だ。もう一つの難点としてセキュリティがある。セキュリティ対策を施すには、Linuxなどサーバソフトウェアの知識を要する。そのため無料の仮想アプライアンスは、社内で利用するアプリケーションの実行やアプリケーションのテストといった用途が適する。
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