データ分析やWebアプリケーション開発に役立つ仮想アプライアンスが幾つかある。こうした仮想アプライアンスのうち、無料で利用可能な「Elastic Stack」と「Bitnami WordPress Stack」の機能と用途を説明する。
「仮想アプライアンス」は特定のアプリケーションを実行するための仮想的なインフラだ。OSのインストールやアプリケーションの設定作業といった手間を省き、すぐにアプリケーションを利用可能にする。さまざまなベンダーが仮想アプライアンスを提供しており、これらを利用すれば管理者は作業の負担を軽減できる。
幾つかの仮想アプライアンスは無料で利用できる。企業が無料のソフトウェアを利用するかどうかは、受け入れ可能なリスクの程度に左右される。無料仮想アプライアンスを使えばコストを削減できるが、サポートとセキュリティリスクの問題を考慮しなければならない。
以下に、データ分析やWebアプリケーション開発などに役立つ無料の仮想アプライアンス5種を紹介する。
Elasticsearchの「ELK Stack」と、その進化版である「Elastic Stack」は、以下の4つのオープンソース製品で構成されている。これらのオープンソース製品を組み合わせることで、さまざまなデータの処理と分析を可能にする。
エンドユーザーはELK StackやElastic Stackを利用する前に、サンプルデータを読み込んで機能を確認できる。Kibanaが作成するグラフィックスは、データをさまざまな方法で視覚化する。
主要なオープンソースのサーバソフトウェアを仮想アプライアンスとして提供する組織が幾つかある。本連載は例として、VMware傘下のBitRock(Bitnamiの名称で事業展開)が提供する仮想アプライアンスを紹介する。
「WordPress」はブログやWebサイトを作成するためのCMS(コンテンツ管理システム)だ。Bitnamiの仮想アプライアンス「Bitnami WordPress Stack」は、ブログの全てのエントリ(投稿)とコメントを追跡するためのデータベース管理システム「MySQL」、スクリプト言語の「PHP」など、WordPressでWebサイトを作成して公開するために必要な一通りの要素を含む。Bitnami WordPress Stackを使用すると、管理者は短時間でWebサイトを立ち上げることができる。
初めて起動すると、Bitnami WordPress StackはシステムのデフォルトWebページとして、空白のWordPressサイトを表示する。Bitnami WordPress Stackを本番運用するには、その前にWordPressに関する最新のセキュリティアップデートを適用する必要がある。
後編は残る3種の無料仮想アプライアンスを紹介する。
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