利用するネットワークは企業によって異なるが、ネットワークの最新化を図る際の狙いや進め方はほとんど共通している。まず理解すべき点と、最初のステップは。
「インフラ最新化」という言葉は受け取る人によって持つ意味が異なる。ネットワークを担当する人にとってはどのような意味があるだろうか。
ネットワークは、ビジネスの目的に応じて設計や構築は個々に異なる。ただし企業がこれから新たにネットワークを設計する場合は、以前よりも共通する点がはるかに多くなると推測できる。最新化を図る際のステップにも共通する点がある。
既存のネットワークを刷新する際に踏むべき5つのステップを以降で紹介する。まずは初期の段階で取り組むべき点を考えてみよう。
最初のステップとして、ネットワークを含むインフラが過去10年ほどでどのように変化してきたのかを考えるとよい。従来のインフラはLANやWAN、企業自前のオンプレミスデータセンターで構成され、セキュリティを確保できる1つのネットワーク境界内にそれらが存在していた。
昨今、ネットワーク境界を設けるインフラは限界を迎えている。より優れたインフラを目指す企業は、従来のデータセンターとクラウドサービスを併用するハイブリッドクラウドや、複数のクラウドサービスを併用するマルチクラウドを採用しているからだ。こうしてアプリケーションやデータが、従来の境界の外側にも存在する状態が広がっている。データを生み出す端末の近くでデータ処理をするエッジコンピューティングの広がりに合わせて、クラウドサービスの機能がエンドユーザーや端末に近いオンプレミスデータセンターに移動してきていることも背景にある。
こうした状況から、昨今は企業が使うネットワークも、その使い方も多様化している。ネットワークはアプリケーションが求めるスループット(データ伝送速度)や遅延時間、拡張性、俊敏性などを提供しなければならない。
現在と将来のニーズを満たすネットワークに移行する際は、既存のLANやWAN、インターネット回線、クラウドサービスなどの利用状況を徹底して調査する必要がある。通常は、まずアプリケーションの利用状況や潜在的な問題を分析してから、データが通過する既存のネットワークについても詳しく分析する。
こうしてアプリケーションやネットワークを分析することで、利便性やコスト効率を高めるポイントがどこにあるのかを判断できる。この評価を経て、ハイブリッドクラウドやマルチクラウド、エッジコンピューティングなどを利用する高度に分散したインフラのために、ネットワークの一部を変更すればいいのか、新しいネットワークで全面的に置き換える必要があるのかを検討する。
後編は3つ目から5つ目のステップを紹介する。
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