Windowsは「コマンドプロンプト」と「PowerShell」の2つのコマンドラインツールを持つ。それぞれどのような場面で使うと便利なのか。例を交えて紹介する。
MicrosoftのOS「Windows」は、コマンド(命令文)を実行するための2つのツールを備えている。「コマンドプロンプト」と「PowerShell」がそれだ。
両者のうち、コマンドプロンプトがより広く知られている。コマンドプロンプトは実行ファイル名の「cmd.exe」で呼ばれることもある。コマンドプロンプトは1993年発売のサーバOS「Windows NT」に初めて搭載され、これまでWindows利用者に親しまれてきた。一方で最近注目を集めているのは、2006年に登場したPowerShellだ。PowerShellを使えば、Windowsに限らず、さまざまなOSの管理を自動化できる。本稿はコマンドプロンプトとPowerShellのそれぞれに適しているタスクを紹介する。
コマンドプロンプトは、「dir」(ファイルやフォルダの一覧表示)や「cd」(実行中ディレクトリの変更)といったコマンドを実行するために便利だ。
例えば、こうした場合を想定しよう。サーバOS「Windows Server」の軽量なインストールオプション「Server Core」は、サーバ構成ツール「SConfig」を含んでいる。このツールはMicrosoftのスクリプト言語「Visual Basic Scripting Edition」(VBScript)を使い、ネットワークを設定したり、サーバを管理したりするコマンドを実行する。こうしたコマンドはPowerShellで実行することも不可能ではない。だがSConfigを利用する方が、さまざまな手間を省ける。
コマンドプロンプトが“輝く”一つの例が、Windowsのプリインストールツール「Windows Preinstallation Environment」(WinPE)とWindowsの回復ツール「Windows Recovery Environment」(WinRE)を利用するときだ。両者ともコマンドプロンプトで起動し、イメージ作成やトラブルシューティングに活用できる。
拡張機能が豊富であることが、PowerShellの主なメリットだ。コマンドプロンプトにはソースコードを逐次解釈する「インタープリタ」としての制限がある。コマンドプロンプトの場合、VBScriptを使い、「cscript」(スクリプトファイル実行)のコマンドを利用することも可能だが、やはりPowerShellを使った方が楽だ。
PowerShellはさまざまなOSを管理できる。PowerShellを使えば、メールサーバ「Exchange Server」やデータベース管理システム「Microsoft SQL Server」、オフィススイート「Microsoft 365」、ID/アクセス管理サービス「Azure Active Directory」といった、Microsoftの大半の製品やサービスを管理できる。
オブジェクト指向であることもPowerShellの強みだ。PowerShellはオブジェクトの指定や並べ替え、グループ化、選択、比較、測定などができる。コマンドプロンプトにはこうした機能はない。IT管理者が自身のキャリアを形成する上でPowerShellのスキルは強力な武器になる。
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