Veeam SoftwareとZertoは共にクラウドサービスを使ったDR製品を提供している。両製品には共通点が多いが、決定的な違いはあるのか。
企業のIT部門はDR(ディザスタリカバリー)にクラウドサービスを使うことで、システム復旧のコストと作業負荷の両方を減らせる可能性がある。
DR製品の「Zerto Virtual Replication」と「Veeam Backup & Replication」は、どちらもクラウドサービスを使ったフェイルオーバー(待機系への自動切り替え)やDRに関する機能を提供する。どちらもクラウドサービスにフェイルオーバーするには、クラウドベンダーがサポートする仮想アプライアンスを利用する。
Zerto Virtual Replicationはフェイルオーバー元またはフェイルオーバー先がオンプレミスの仮想マシンでもクラウドサービスでも、事前に定義したリソースを使用してフェイルオーバーを実行する。オンプレミスの仮想マシンでのテストやフェイルオーバーのスキルがある管理者なら、GUI(グラフィカルユーザーインタフェース)でクラウドサービスへのフェイルオーバーを実行することは難しくないだろう。クラウドサービスを使ったレプリケーションには「Zerto Virtual Replication Enterprise Cloud Edition」のライセンスが必要になる。
Veeam Backup & Replicationも、オンプレミスの仮想マシンからクラウドサービスへのフェイルオーバーができる。オンプレミスの仮想マシンとクラウドサービス間での復旧を簡素化する機能も利用可能だ。
Zerto Virtual ReplicationとVeeam Backup & Replicationはどちらも、ほぼリアルタイムにデータを複製する「継続的データ保護」(CDP)とDRの充実した機能を備える。オンプレミスの仮想マシンに限ったDRでは、両社の機能的な差異はそれほど多くない。DRのクラウドサービス化に関しても、両製品のベンダーは共に重点的に投資をしている。
DRに関するポートフォリオをバックアップにまで拡充してきたベンダーであるZertoに対して、Veeam SoftwareはDR分野で地位を確立したバックアップベンダーだ。両社が採用するアプローチとツールには違いがあるが、結局のところ同様の課題解決を目指している。
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