クラウドサービスを導入する際には、十分な体制を整えておくことが必要だ。企業が導入プロジェクトを遂行する上で見落としがちな4つの注意点を説明する。
企業がクラウドサービスを導入したり、クラウドインフラでアプリケーションやシステムを開発したりする過程で、問題やミスが起こり、クラウドサービス導入プロジェクトの頓挫(とんざ)につながることがある。クラウドサービスの導入で最大限の成果を得るためには、以下に示す4つの見落としに注意するとよい。
比較的単純なプロジェクトであれば、クラウドインフラに詳しい担当者が数人いればよい。ただしプロジェクトの成功には、チームのメンバーの組み合わせを考慮しなければならない。例えばJavaを使ったアプリケーション開発が必要なプロジェクトでは、PHPを専門とする開発者は力を発揮できない可能性がある。開発チームは仕事に適した開発ツールを導入したり、重要な役割を担う人材を追加採用して継続的に教育したりすることで成果を得ることができる。
クラウドベンダーは成長し続けており、クラウドサービスの提供形態やサービス内容は常に変化している。ユーザー企業が必要だと考えるクラウドサービスをベンダーが打ち切る可能性もある。
IT部門はクラウドサービスを優先的に検討する「クラウドファースト」や、クラウドサービスしか使わない「クラウドオンリー」の考え方に基づいて、クラウドインフラを運用することがある。クラウドサービスへの移行後に元のインフラにアプリケーションを戻したり、他のベンダーのクラウドサービスに乗り換えたりすることもある。堅実なIT部門はクラウドサービスのリスクを認識し、その対策をチームやプロジェクトの運用に組み込んでいる。
プロジェクトの成功には、業務プロセスの進め方が重要な役割を果たす。クラウドサービスを利用する場合、セキュリティや個人情報に関連する各種データの適切な管理と保護を実践し、法令を順守しているかどうかに注意しなければならない。これらを実践するには、クラウドサービス開発時の設計・運用に最も効率の良いベストプラクティスを策定し、指針とする必要がある。ベストプラクティスは、最初のアーキテクチャ設計からプロジェクト後の監視や分析に至るまで、全ての指針となる。このような業務プロセスの重要性を見過ごしているチームは、プロジェクトの遅延や危機を招く恐れのあるミスや見落としをする危険と隣り合わせになる。
技術的な取り組みには、チームのメンバー間のコミュニケーションと協力が欠かせない。クラウド技術やクラウドサービスの進化の動向を注視し、自由に共有できる状態にしておくのがよい。
リーダーやプロジェクトマネジャーは、アイデアの実現や技術革新を妨げないように、メンバー同士の関係性を良好に保たなければならない。コミュニケーションが不足すると、ミスや見落とし、二度手間など時間や人材の浪費につながる可能性がある。
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