「人工知能は遊び」の時代は終わった 国内AI市場“急成長”の必然データ分析ニュースフラッシュ

IDC Japanの国内アナリティクス/AIプラットフォーム市場調査や、機械学習を活用したオリコのデータ分析製品導入事例など、データ分析に関する主要なニュースを紹介する。

2022年08月31日 05時00分 公開
[梅本貴音TechTargetジャパン]

 機械学習をはじめとするAI(人工知能)技術をデータ分析業務に活用する動きが、企業の間で活発化している。本稿は国内のデータ分析/AI技術市場の成長背景を示した調査結果や、機械学習を活用したデータ分析製品の導入事例、Oracleサービス群を組み合わせたデータ分析の新サービスなど、データ分析に関する主要なニュースを3本紹介する。

AI市場が国内でなぜ活性化? IDC Japanが調査

 ビジネスインテリジェンス(BI)を含む「アナリティクス」やドキュメント認識といった「AIプラットフォーム」分野の国内市場規模(売上額ベース)は、2021年には前年比19.3%増の1880億円になったと同社は推定する。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるマイナスの影響はほぼなく、企業がアナリティクス/AIプラットフォームへの投資を継続した結果、市場成長につながった。特にAIプラットフォーム市場の成長が顕著で、同市場の2021年〜2026年の平均成長率(CAGR)は37.5%、2026年の市場規模は2228億円と予測。企業がインサイト(洞察)を得るために予測モデルにAI技術を活用する動きが広がったことが市場の成長要因となったと同社はみる。AI技術を活用した実験プロジェクトの運用フェーズへのシフトが進んだことも、成長を後押しした。(発表:IDC Japan<2022年7月14日>)

オリコがAIを活用したデータ分析製品を導入 その理由とは?

 オリエントコーポレーション(オリコ)は、韓国のAIベンダーailysのデータ分析製品「DAVinCI LABS」(ダヴィンチ・ラボ)を導入した。グループ企業内でのデータ利活用促進と、キャンペーン効果測定をはじめとする顧客企業へのデータ分析サービス強化が目的だ。予測における根拠の提示機能や、データの特徴を自動で分類するクラスター分析機能といったダヴィンチ・ラボのAI機能を評価した。自社製品の需要予測や来店者数予測、顧客企業のマーケティング施策の精度向上などにダヴィンチ・ラボを活用する。(発表:オリエントコーポレーション<2022年7月4日>)

OracleのDWH、BI、EPMベースのシステムを手軽に構築 ジールが新サービス

 「Management Accounting Platform」(MAP)は、Oracleサービス群を組み合わせて提供するサービス。主体となるサービスは、データウェアハウス「Oracle Autonomous Data Warehouse」(ADW)のクラウドサービス版、BIのクラウドサービス「Oracle Analytics Cloud」(OAC)、業績管理SaaS(Software as a Service)「Oracle Cloud Enterprise Performance Management」(EPM)の3つ。OracleのIaaS(Infrastructure as a Service)「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)で稼働するADWとOAC、SaaSのEPMの利用に必要な手続きや初期設定は、ジールが担う。ユーザー企業は導入時の作業負荷を軽減しながら、迅速に各Oracleサービスを利用できる。利用料金は、ADWとOAC分はOCIの稼働時間数と利用CPU数、EPM分はユーザー数(10ユーザーから利用可能)で変動する。OCIを1日18時間365日稼働させ、EPMを10ユーザーで利用する場合、年額利用料金は1050万円(税別)から。導入費や運用保守費は個別見積もり。(発表:ジール<2022年7月15日>)

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