ビジネスインテリジェンス(BI)ツールは高度な知識がなくても使えるようになり、活用が広がっている。企業はこうした“次世代”のBIツールで何ができるようになるのか。コールセンターを例に考える。
昨今のビジネスでは、リアルタイムにさまざまな情報を収集して分析する取り組みが進んでいる。スピードが命だ。業務部門の責任者が週単位や月単位でデータを見るのは、もはや時代に合わない。そうした中、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールに求められる役割も変わりつつある。
マーケティング支援を手掛けるAlembic Technologiesの創業者兼CEO(最高経営責任者)トーマス・プイグ氏によると、自動化のためのAI(人工知能)技術にはルールベースの技術と、機械学習ベースの技術がある。企業はどちらの技術を採用するかによってBI活用の効果が変わるとプイグ氏は指摘する。機械学習の手法だと、ルールからは読み取れない「未来のこと」も予測できる。
BIツールによる分析を自動化する主なメリットは、洞察を得るまでの時間を短縮できることだ。コールセンターを例に考えてみよう。コールセンターでは顧客の要望や不満の理由を正確に把握するためにログを取得して分析する。問い合わせのトランスクリプト(文字起こし)を自動生成する機能の活用も進んでいる。これによって要望や不満に関する情報を瞬時に引き出し、短時間で問題解決を図れる。
人間がトランスクリプトを分析して問題を特定する場合は、あらかじめ定められた分析基準をきちんと守る人もいれば、分析基準を“いいかげん”に当てはめる人もいると考えられる。その意味で自動化は時間の短縮にとどまらず、分析の統一性を高めるためにも有効だ。
音声分析の技術開発を手掛けるObserve.AIのチーフサイエンティスト、ジテンドラ・ベパ氏によれば、コールセンターにおける自動化の活用例として主要なのは品質の保証や向上だ。コールセンターの管理者は自動化によって全オペレーターの稼働状況や成果を把握し比較できる。「コールセンターにとって重要なのは、優秀なオペレーターと成績が上がらないオペレーターを特定し、後者の業績向上につながる改善点は何かを理解することだ」とベパ氏は言う。
後編は、BIによるデータ分析の活用例を幾つか紹介する。
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