「BIは難しい」はもう古い BI民主化を急加速させた“あの技術”とは?拡張分析がもたらす「BI改革」【前編】

企業はビジネスインテリジェンス(BI)を活用することでさまざまな洞察を得て、ビジネスの改善に役立てることができる。最近のBIツールは「使いやすさ」が売りだ。BIの“民主化”を促しているのは何か。

2022年06月30日 05時00分 公開
[Lisa MorganTechTarget]

 さまざまなデータを分析し、業務や経営の改善に生かすビジネスインテリジェンス(BI)は、企業の競争力を高める“武器”として活用が広がっている。ベンダーはBIツールの使いやすさを高めることに注力し、企業は以前ほど高度なスキルを持たなくてもBIツールを利用できるようになった。こうした動きは「BIの民主化」と呼ばれることがある。

「BIは難しい」はもう過去に BI民主化を進める“あの技術”とは

会員登録(無料)が必要です

 BIの民主化を促しているのは、機械学習によって分析の自動化を図る手法「拡張分析」(Augmented Analytics)だ。拡張分析ツールには、大量の文字情報を分析できる自然言語処理(NLP:Natural Language Processing)の機能があるため、ユーザーはクエリ言語(コンピュータにデータの問い合わせをするコンピュータ言語)の知識が必要ない。拡張分析ツールはデータ分析結果を可視化する機能も備え、データ分析による洞察の得やすさを追求している。

 拡張分析ツールを使った自動化により、企業にとってNLP利用のハードルが下がっている。NLPを利用すれば、企業は自然言語から機械語(コンピュータが情報を読むための言語)、機械語から自然言語への変換を自動化できる。手作業を減らし、業務や経営の課題を迅速に把握できるようになる。

 BIツールベンダーSisenseで製品とマーケティングの最高責任者を務めるアシュリー・クレイマー氏によれば、自動化は単なる一機能ではなく、分析の中核を成す。「AI(人工知能)技術を取り入れた自動化によって、ユーザーは自らシステムに問い掛けることなく、必要なときに必要な情報を入手できる」とクレイマー氏は述べる。

 拡張分析は単独ツールで提供される他、アプリケーションやファームウェアに組み込まれていることもあり、企業にとって身近な存在になりつつある。


 中編は、BIツールを使いこなすためのポイントを解説する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品資料 ジオテクノロジーズ株式会社

6つのユースケースから学ぶ、「人流データ」の効果的な活用方法

広告や小売、観光振興、まちづくりなど、さまざまな領域で導入が進む「人流データ」。その活用でどのような施策が可能になり、どのような効果が期待できるのか。人流データ活用の6つのユースケースを紹介する。

製品資料 ジオテクノロジーズ株式会社

基礎から解説:「人流データ」の特徴から活用におけるポイントまで

人の動きを可視化した「人流データ」。屋外広告の効果測定や出店計画、まちづくりや観光振興など幅広い領域で活用されている。その特徴を確認しながら、価値のある分析・活用につなげるためのポイントを解説する。

事例 アルテリックス・ジャパン合同会社

地図情報によるデータ分析作業を効率化、ゼンリングループ企業はどう実現した?

多くの企業でデータ活用が模索されているが、データ処理の煩雑さや属人化が課題となっている企業は少なくない。そこで注目したいのが、データ分析ツールの活用で課題を一掃した「ゼンリンマーケティングソリューションズ」の取り組みだ。

製品資料 サイオステクノロジー株式会社

ITインフラの自動化を実現、いま注目のクラウド型マネージドサービスの実力

複雑化を続けるITシステムの運用管理は、企業にとって大きな負担だ。そこで負担を軽減するものとして注目したいのが、クラウド上でさまざまな機能を利用できるマネージドサービスだ。本資料では、その詳細を解説する。

事例 プリサイスリー・ソフトウェア株式会社

SAPデータの処理時間を4分の1に短縮、ロクシタンはどうやって実現した?

SAP ERPを活用して、事業部門のデータ作成/変更を行っているロクシタンでは、マスターデータ管理の煩雑さに伴う、処理時間の長さが課題となっていた。これを解消し、SAPデータの処理時間を4分の1に短縮した方法とは?

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...