中核システムをオンプレミスインフラで運用してきたニトリが、データ分析システムにクラウドサービスの「BigQuery」を採用した。その意図とは何か。ニトリと紀陽銀行、アルペンのクラウド導入事例を紹介する。
ニトリや紀陽銀行、アルペンは、システムの構築や刷新の手段として、クラウドサービスの活用を進めている。各社はどのような意図で、どのようなクラウドサービスを選び、どのようなシステムを実現しようとしているのか。各社の導入事例を扱った、クラウドに関する主要なニュースを3本紹介する。
ニトリホールディングス傘下のニトリは、店舗販売システムやEコマース(EC)サイトなどのデータを集約するシステムとして、Googleが提供するDWH(データウェアハウス)のクラウドサービス「BigQuery」を採用した。ニトリは市場の変化に合わせてシステムを迅速に変更できるようにすべく、2000年ごろからシステムの内製化に取り組んでいる。基幹システムはオンプレミスインフラで稼働させていたが、買収や事業規模拡大に伴うデータ増大に合わせて拡張可能なシステムを構築するために、データ分析システムのクラウド移行を決定した。大量のデータを高速に処理できる点を評価して、BigQueryを選定。データ集約の仕組みとして、Talendのデータマネジメント製品「Talend Data Fabric」を利用する。(発表:Talend<2022年8月31日>)
和歌山県の紀陽銀行は2018年から、システムの導入にクラウドサービスを優先的に検討するクラウドファーストを基本方針としている。同社はBIPROGYの勘定系システム「BankVision」をオンプレミスインフラで稼働させ、預金振替や口座管理などの処理に利用してきた。インフラの拡張性の高さや従量制課金によるコスト削減効果などを求めて、BankVisionのインフラをクラウドサービスに切り替えることを決断。BIPROGYがBankVisionの稼働を検証済みであることから、Microsoftのクラウドサービス群「Microsoft Azure」への移行を進める。紀陽銀行は勘定系システムのクラウド移行を機に、新商品・サービスの開発やAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を通じた異業種との協業を加速させる。(発表:紀陽銀行<2022年8月22日>)
スポーツ用品チェーンのアルペンは約900万人分の会員データや、実店舗とECサイトの販売データなどを集約して管理、分析するためのデータベース管理システム(DBMS)に、OracleのクラウドDBMS「Autonomous Database for analytics and data warehousing」(ADW)を採用した。データ処理速度の高速さに加えて、データベースのバックアップやパッチ適用などの自動化機能があることを評価した。導入後は大量データ処理を夜間のみで実行し、自動スケーリングでデータベースの容量を自動的に縮小させることで、DBMSの利用料金を抑えている。(発表:日本オラクル<2022年8月29日>)
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