ロシア事業の縮小といった業績悪化につながる動きがある中でも、Microsoftのクラウドサービス事業は好調だ。売上高の成長に加えて、同社が進める“ある取り組み”が営業利益の増加に寄与するという。それは何か。
2022年第4四半期のMicrosoftの業績は、ロシアによるウクライナ侵攻をはじめとする世界情勢の影響を受けた。同社によると、中国での長期にわたる生産停止と、ロシアによるウクライナ侵攻が売上高に影響している。ウクライナ侵攻を受けて、Microsoftはロシアでの事業を大幅に縮小することに決めた。その結果、資産減損や退職に関連する1億2600万ドルの営業経費を計上したと同社は説明する。
こうした業績悪化につながる要素があるにもかかわらず、Microsoftのクラウドサービス事業は順調に成長している。
「Microsoft Azure」をはじめとするMicrosoftのクラウドサービス事業の売上高は、前年同期と比べて40%増加した。同社のクラウドERP(統合業務)パッケージ「Dynamics 365」事業の売上高は31%増加で、ビジネス特化型ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「LinkedIn」事業の売上高は26%増だったという。
Microsoftのクラウドサービス事業の営業利益向上につながる可能性があるのが、クラウドサービスのインフラとして利用するデータセンター機器の減価償却方法の変更だ。同社は、ネットワーク機器とサーバの耐用年数を4年から6年に延長した。
投資家向け情報提供サイト「Seeking Alpha」に掲載された決算報告記録によると、Microsoftはサーバやネットワーク機器の運用効率を上げる技術開発を進めている。その結果として、これまでの会計年度よりもクラウドサービス用のデータセンター機器の耐用年数が延びたという。
データセンター機器の耐用年数変更により、2023会計年度の営業利益は第1四半期(7月〜9月)に対前年同期で約11億ドル、通期で約37億ドルの増加が見込める――。Microsoftの最高財務責任者(CFO)、エイミー・フッド氏はこう予測する。
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