セキュリティ担当者は仕事でさまざまな悩みを抱えていることが英国の調査で分かった。中には仕事を続ける妨げとなる深刻な問題もある。それは何なのか。
英国のセキュリティ研究機関Chartered Institute of Information Security(CIISec)のレポート「The Security Profession in 2021-22」から、同国企業のセキュリティ担当者の「本音」が浮き彫りになった。セキュリティ業務の手順が標準化されておらず、セキュリティ担当者はさまざまなストレスを抱えている。実はもう一つの「深刻な問題」がある。それはセキュリティ担当者のモチベーションの低下に直結する。
CIISecによれば、英国ではセキュリティの仕事に就きやすくなりつつある。攻撃の増大や複雑化によるセキュリティ市場の成長を背景に雇用機会が潤沢だという。
セキュリティの仕事を得やすいからといって、全員が「幸せ」というわけではない。CIISecによると、セキュリティ担当者の間のいじめや嫌がらせが深刻な問題になっている。これらによって仕事の意欲が下がり、それが企業にとってのセキュリティリスクになると同社はみる。今回の調査では、「いじめや嫌がらせについて社内で相談できる人がいない」と回答した人は約2割いた。
他には「セキュリティの課題」について、70%の回答者が「人」を挙げた。「技術」(17%)や「セキュリティ対策の手順」(13%)を大きく上回った形だ。技術の採用にとどまらず、セキュリティに対する企業文化を変えることも、セキュリティを高める上で重要であることが分かった。
「個人的な成長の課題」としては、回答者の大半が「スキル不足」「研修を含めたサポート体制が不十分なこと」「職場での人間関係の難しさ」を挙げた。望むことについては、「給与の引き上げ」「昇進の機会」「仕事内容の多様化」「自律性の向上」「研修の強化」といった回答があった。
後編は、セキュリティ担当者がダイバーシティー(多様性)についてどうみているのかを紹介する。
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