世界中のITベンダーの成長が鈍化する中、特に景気後退の影響を受けているのが、Intelをはじめとする半導体ベンダーだ。何が起きているのか。数字を基に探る。
中国が2022年8月に台湾海峡で軍事演習を実施したことは、世界中のサプライチェーンに影響した。中国が台湾周辺の空路と海路を事実上封鎖したことで、大手ベンダー各社と取引がある台湾の部品・材料企業が打撃を受けた。こうした企業の中には、受託製造のTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing)をはじめとする半導体ベンダーがある。
半導体ベンダーは厳しい状況にある。調査会社Gartnerは2022年7月、2022年の世界の半導体年間売上高予測を、370億ドル程度引き下げて約6392億ドルに下方修正した。この下方修正は、2022年内の世界の経済状況がさらに悪化するという予測が背景にある。
2022年7月末には複数の大手ITベンダーが四半期決算を発表した。その中でも注目すべきは、半導体ベンダーの代表格であるIntel(インテル)の大幅な減益だ。
Intelは2022年度第2四半期(2022年4〜6月)に、売上高約153億ドルに対して約5億ドルの損失を計上した。前年同期比109%の減益だ。この数字について、同社最高経営責任者(CEO)のパット・ゲルシンガー氏は「改善する必要がある」と述べている。
PCベンダーやサーバベンダーといった半導体ベンダーの顧客企業は、世界経済の悪化の影響を受けている。これらのベンダーの業績が落ち込めば、必然的にIntelなどの半導体ベンダーの業績を押し下げることになる。
半導体ベンダーの先行きを占う上で無視できないのが、膨大な数のサーバを抱えるクラウドベンダーの動向だ。クラウドベンダーの間で進むハードウェアの耐用年数延長が、半導体ベンダーの業績を悪化させる可能性があるとの見方がある。後編は、その影響を考察する。
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