2022年7月に起きたKDDIの大規模障害。IoT機器を扱う企業で進む、通信障害発生時のバックアップ体制強化のニーズを受けて、KDDIが他キャリア回線に自動で切り替えできるサービスを発表した。
KDDIは2022年11月24日、IoT(モノのインターネット)機器や広域ネットワークサービス「KDDI Wide Area Virtual Switch 2」を利用する法人向けに、SIMカード1枚で他キャリア(通信事業者)の回線に自動で切り替えができるサービス「冗長化ソリューション」の提供開始を発表した。2022年12月23日に利用申し込みの受け付けを開始する。
冗長化ソリューションは、「シングルSIM」と「デュアルSIM」の2つの提供形態を用意している。シングルSIMのユーザー企業は、1枚のSIMカードでメイン回線とバックアップ回線を利用できる。障害発生時やメイン回線切断時にはローミング(他事業者が運用する通信網を利用する仕組み)を介して他社のネットワークに切り替えることで、1枚のSIMカードで複数キャリアの通信回線への接続を実現する。
デュアルSIMは、2枚のSIMカードでメイン回線とバックアップ回線を冗長化する。具体的には、KDDIのSIMカードと他社回線のSIMカードを利用する。
本サービスのもう一つの特徴が、ルーターの導入から保守までをKDDIに一任できるよう、パッケージ化して提供していることだ。本サービス導入に向けてユーザー企業側でKDDI以外の他キャリア通信回線を手配する必要はない。KDDIはシングルSIM、デュアルSIMそれぞれにルーターを用意しており、ルーターのコンソールでは他キャリア通信回線の操作に加えて、以下の機能を利用することができる。
バックアップ回線は使った分だけ課金される従量課金制を採用しており、回線未使用時の費用負担を抑えることができる。
本サービスのシングルSIMとデュアルSIMは、銀行のATMや交通機関のキャッシュレス決済、物流分野での貨物や運送記録、産業用機器の遠隔監視など、幅広い用途や業界で利用できる。こうした用途のネットワークを冗長化することで、ユーザー企業はBCP(事業継続計画)を強化できる可能性がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
【だから消費者に嫌われる】UI/UXの「アンチパターン」とは?
DearOneが一般消費者を対象に実施したショッピングアプリの利用状況調査の結果から、消費...
「α世代」はマーケターにとってなぜ重要なのか?
Razorfishのレポートによると、α世代の中でも比較的年齢が高い層は美容製品に強い関心を...
【B2Bマーケター困惑】資料請求サイト経由のリードの商談化率は10%以下 有効活用するには?
資料請求サイトを活用するのは費用対効果が合わないのでしょうか。また、商談につなげる...