VMware「ESXi」はこうして攻撃される――専門家が明かす「手口」と「防御策」「ESXiArgs」再燃 ESXi防御策は【後編】

「ESXi」を狙ったランサムウェア攻撃に対抗するには、どうすればいいのか。まずは攻撃の手口を知ることが重要だ。どのようなものなのか。

2023年07月04日 06時15分 公開
[Arielle WaldmanTechTarget]

 ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)「ESXiArgs」を使った攻撃は、いまだに続いている。ESXiArgsは、VMwareのハイパーバイザー「ESXi」を狙うランサムウェアだ。攻撃者はどのような手口を使っているのか。

ESXiへの攻撃は“あの情報”の入手から

 セキュリティベンダーCrowdStrikeによると、ESXiを狙った攻撃の最も簡単な手口は、ESXiの認証情報の窃盗だ。攻撃者は認証情報を手に入れると、ESXiに対して任意のプログラムを実行できるようになる可能性がある。

 CrowdStrikeは、攻撃者が標的システムにアクセスし、ランサムウェアを展開させる目的を達成するために、ESXiの認証情報を不正入手する攻撃を観測した。その攻撃では、攻撃者が取得した認証情報は全て、任意のプログラムを実行するための特権を持つアカウントのものだったと同社は説明する。

 他にもCrowdStrikeは、攻撃者が有効なアカウントを使用するか、プログラムのリモート実行ができる脆弱(ぜいじゃく)性を悪用して、VMwareの管理コンソール「vCenter Server」にアクセスするのを観察したと述べる。

 CrowdStrikeによると、攻撃者はインターネット経由でのリモート管理に利用する通信プロトコル「SSH」(Secure Shell)を悪用して、ESXiの管理コンソールやvCenter Serverへの侵入を試みる。同社はESXiのユーザー企業に対して、SSHによるリモート接続を無効化することを推奨。万が一の攻撃を想定し、定期的にESXiのバックアップを取得することも勧める。

関連キーワード

VMware | サイバー攻撃 | マルウェア


TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news047.jpg

SASのCMOが語る マーケティング部門が社内の生成AI活用のけん引役に適している理由
データとアナリティクスの世界で半世紀近くにわたり知見を培ってきたSAS。同社のCMOに、...

news159.jpg

SALES ROBOTICSが「カスタマーサクセス支援サービス」を提供
SALES ROBOTICSは、カスタマーサクセスを実現する新サービスの提供を開始した。

news139.jpg

「Fortnite」を活用  朝日広告社がメタバース空間制作サービスとマーケティング支援を開始
朝日広告社は、人気ゲーム「Fortnite」に新たなゲームメタバース空間を公開した。また、...