生成AIの普及によってセキュリティの職種はどう変わるのか。「セキュリティ×AI」に関する4つの新しい仕事に焦点を当てて、セキュリティ担当者の新たなキャリアパスを探る。
画像や文章を生成するAI(人工知能)技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)が普及する中で、セキュリティ分野においてはAI技術に関連する新たな仕事のニーズが増大すると考えられる。具体的にはどのような職種があり、どのような経験やスキルがあれば活躍できるのか。「セキュリティ×AI」の4つの仕事を紹介する。
AI/ML(機械学習)セキュリティエンジニアの主な役割はAIモデルとシステムのセキュリティを確保することだ。AIモデルとシステムのセキュリティを評価し、必要に応じて脆弱(ぜいじゃく)な点を改善する。AI/MLセキュリティエンジニアとして活躍するには、セキュリティ分野全般の知識に加え、AI/ML技術に関する高度な知識も必要だ。
AI/MLセキュリティエンジニアに求められる学歴や実務経験は組織によって異なる。欧米では、コンピュータサイエンスやその関連分野の学士号と、セキュリティ分野における10年以上の実務経験を採用条件とすることが一般的だ。
AIセキュリティアナリストはAI/ML技術を使ってシステムを攻撃から保護することがミッションだ。つまり、AI/ML技術が保護対象ではなく、攻撃防止のためのツールになる。AIセキュリティアナリストはAI/ML技術を駆使し、脅威を検知したり、攻撃に対処したりする。セキュリティに活用する目的で、AIモデルの開発と学習を担当する場合もある。
近年、攻撃者もAI技術を利用し始めている。そのため、AIセキュリティアナリストにはAI技術で生成されたマルウェアへの対抗ノウハウが求められる場合もある。具体的な職務要件は組織によって異なる。一般に、STEM(科学、技術、工学、数学)領域関連の学歴と、10年以上のセキュリティ分野における実務経験、AI技術の知識が求められる。
社内にAI技術の専門家がいない企業は、外部のAIセキュリティ運用コンサルタントの力を借りることがある。AIセキュリティ運用コンサルタントは主に次の役割を担う。
AIセキュリティ運用コンサルタントにはセキュリティ分野における豊富な実務経験と、実装を含めたAI技術の高度な知識が求められる。金融や医療、製造、流通といった業種での実務経験はプラスになる。
AIセキュリティ開発マネジャーはAIシステムのセキュリティを構築する。そのため、システムをゼロから作る開発経験が必要だ。採用に当たり、既にAI技術の高度なスキルを持っていることよりも、AI技術について学ぶ意欲が重視されることがある。
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