MicrosoftはサーバOSの新バージョン「Windows Server 2025」の一般提供を開始した。AI活用に関わる機能としても、GPU関連の機能強化などのアップデートがあった。
MicrosoftのサーバOS「Windows Server」の次期バージョン「Windows Server 2025」の一般提供が2024年11月に開始した。Windows Server 2025には、GPU(グラフィックス処理装置)に関する新機能をはじめ、AI(人工知能)技術の利用に役立つ機能が搭載されており、AI導入を目指す企業にとっても選択肢の一つになる。特に注目すべきポイントを解説する。
Windows Server 2025は「GPUパーティショニング」(GPU-P)という機能を搭載した。この機能によって、1つのGPUのリソースを仮想化し、複数の仮想マシン(VM)に割り当てることが可能になる。GPUを幾つも用意する必要なく、AI関連の複数のタスクを同時に実行できる。GPUパーティショニングを使用するVMは、ハードウェアに問題が発生しても自動的に別のノードで再起動するため、重要なAIタスクが中断される事態を回避することもできる。
もう一つの注目ポイントは、GPU-Pのライブマイグレーション機能だ。AIワークロード(AI技術関連の処理やタスク)の負荷を効率的に分散させたり、実行中のVMを停止することなくハードウェアおよびソフトウェアのメンテナンスをしたりできる。
これらの機能とNVIDIA製GPUを連携させることで、Windows Server 2025はAIモデルのトレーニングや推論といったタスクに適したサーバOSとなっている。「Windows Admin Center」(Windows管理センター)を使用すれば、オンプレミスインフラやクラウドサービスにおけるGPUリソースを効率的に管理することが可能だ。
他にもWindows Server 2025には、Microsoftのクラウドサービス群「Microsoft Azure」との連携強化や、仮想化関連機能の拡充など、さまざまな注目すべき特徴がある。
企業はWindows Server 2025を活用して、効率的にAIプロジェクトを進め、業務効率化やデータ駆動型の意思決定を実現できる可能性がある。ただし、AI導入で長期的に価値を生み出すためには、慎重かつ戦略的な計画を事前に練ることが不可欠だ。
次回は、AIプロジェクトを成功させるために企業が考えるべきポイントを紹介する。
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