自社クラウドサービスにも採用
AWSすら青ざめる? 中国“アリババストレージ”の衝撃
中国Alibaba Groupのインフラエンジニアがコールドストレージエンジンのプレビュー版を公開した。これは同社のクラウドサービス「Aliyun」の基盤技術となる可能性がある。
大手のオンライン企業が提供するデータストレージサービスが増えており、ITのコスト削減を試みるIT担当者から注目を集めている。2015年3月11日に開催されたLinuxのストレージとファイルシステムのカンファレンス「Vault 2015」では、中国Alibaba Groupがオープンソースベースのコールドストレージエンジン「Lambert」(開発名)を公開した。
Alibaba Groupでは、持続性の高い低価格なストレージとしてLambertを設計している。Lambertでは、オープンソースソフトウェア(OSS)の分散型オブジェクトストレージ「Sheepdog Project」と低速なHDD、低電力のコモディティサーバを使用している。ほとんどアクセスしないデータを含めたEバイト規模のデータ容量まで拡張できる。
AWSの「Amazon Glacier」よりも安い?
中国電子商取引の最大手であるAlibaba Groupは、2014年9月に米国で新規株式公開(IPO)を行い250億ドルを調達した。同社が展開する事業には、米eBayのようなショッピングサイト(Taobao.com、Tmall.com)、企業間取引(Alibaba.com)、オンライン決済(Alipay.com)、Aliyunなどがある。
中国Alibaba Infrastructure Service(AIS)のストレージエンジニアリングの責任者であるコリー・リー氏によると、Alibaba Groupはパブリッククラウドデータストレージサービス「AliCloud」の基盤技術として、Lambertを使用する予定だという。Lambertは世界最大の氷河にちなんで名付けられている。
リー氏は「米Amazon Web Services(AWS)の『Amazon Glacier』と比較してどうかと尋ねられ、Lambertのコストの方が安いかどうかは分からない」と答えている。同氏が把握しているのは、Lambertを使用した場合に1Gバイト当たりのコストが「かなり低価格」であることだけだ。Amazonの広告掲載価格によると、1Gバイト当たりのストレージ価格は月額1セントで、データのアップロード/取得/転送については追加料金が発生する。
Sheepdogは、Lambertの重要な構成要素である。多くのオブジェクトストレージシステムと同様、汎用ハードウェア上で稼働し、何千ものノードに拡張できる。SheepdogのWebサイトによると「Sheepdogはノードとディスクを管理し、直線的に容量とパフォーマンスを集約し、スナップショットや複製、シンプロビジョニングなどの容量管理機能を備えている」という。
2~3年以内にデータの増大が加速することを見込んで、AISチームはゼロからLambertコールドストレージシステムを設計し、Eバイト規模のデータを格納できるようにしたとリー氏は語る。Lambertは2014年11月に運用環境に配置されており、現在は、より小規模な1P(ペタ)バイト以上のデータが保存された特定のデータセンターで稼働している。
「データの損失は許されない。そのため、既存のストレージシステムからLambertに全てのクラウドデータを移行するには、かなり長い時間を要する。データは段階的に移行して、高い持続性が確保されていることを確認しなければならない」(リー氏)
次回は、AISチームによるLambertの改良の取り組みを紹介する。
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