クラウド“ビッグ4”のデータセンターは、どのくらいビッグで複雑なのか?川田大輔のクラウド解体新書【第2回:サマリー版】(1/3 ページ)

成長を続けるクラウド“ビッグ4”はそれぞれが単独で2000年代初頭のインターネット全体に匹敵する規模に達している。膨れ上がる複雑さを低コストに扱うにはAIが欠かせない。だが誤解も広まっているようだ。

2016年08月22日 10時00分 公開
[川田大輔]

 本稿は、連載「川田大輔のクラウド解体新書」第2回のサマリーを掲載したものです。完全版は以下からダウンロードしてご覧ください(会員限定/無料)。

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 成長を続けるクラウド“ビッグ4”は、それぞれが単独で2000年代初頭のインターネット全体に匹敵する規模に達している。膨れ上がる「複雑さ」をより低コストに取り扱うためには「人工知能」(AI)が欠かせない。CPS利用と組み合わせ複雑さを増すクラウドはこれからますます「賢く」なっていく。

 一方、AIという言葉は勝手に独り歩きし、仕事を奪われるとおびえる極端からユートピアの到来を夢見る極端までさまざまな妄想が広まっている。規制・振興当局ですら野良ロボットが参政権を要求するかもしれないと真面目に議論しているありさまだが、もう少し落ち着いてほしい。世界はこれまでも変化し続けてきたし人々はいつの時代もなんだかんだいいながら変化する環境に適応し続けてきたのだ。何がどのように変化していくのかを落ち着いて観察していけば変化自体は恐ろしくない。むしろチャンスですらある。


 第1回のサマリー版「AWS圧勝とは限らない、クラウドシェア争いの現場で起きている“異次元成長”」では、クラウド市場の成長がいまだ序盤戦であることを確認した。

 グローバルインフラとして世界を覆いつくすインターネットが、世界をフラット化するとともに新たな断片化を顕在化させている。今後は成長率の低い先進国市場での既存IT需要の置き換えと、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)をきっかけとしたCPS(Cyber Physical Systems)市場の成長を糧に、成長率の高い途上国市場の開拓が進み、「次なる40億人」(※1)にインターネットサービスが広がっていくだろう。

※1 世界経済におけるピラミッドの底辺(BOP: Base of the economic Pyramid)による40億人(世界資源研究所国際金融公社より)。

 さて、第1回完全版(「次なる40億人」が決める、クラウドベンダーの勝者と敗者)の内容には、公開後に幾つかの動きがあった。

 2016年6月23日に実施された英国におけるEU(欧州連合)離脱是非を問う国民投票は、事前予想(※2)を裏切るまさかのEU離脱決定(Brexit)となった。この国民投票結果を受けて辞任したデーヴィッド・キャメロン首相の後を受けたテリーザ・メイ新首相は、EUに対する正式な離脱通知を2017年以降に提出する方針と伝えられる。今後、新協定締結交渉を含むEU離脱プロセスは、英国からEUへの正式な離脱通知提出後2年以内に協議されることになる。つまり今後約2年にわたって、英国は長期的な取引条件を決定するリスクが近隣EU諸国と比較して相対的に高止まりする。少なくとも英国内のデータセンター利用など、長期に及ぶ英国法人との契約は、離脱協議の結果が見通せるまで手控える動きが広まる可能性がある。

※2 かの国の名物ブックメーカー(賭博屋)による投票日前日のオッズ(予想配当率)では、離脱が4倍、残留が1.25倍と残留が勝つ可能性が高かった。

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