2016年からプログラミング教育に取り組む小金井市立前原小学校は、一般教科の中にプログラミングを盛り込む試みを始めた。次期学習指導要領を先取りしたこの取り組みから、プログラミング教育の可能性と課題を探る。
2020年4月から順次実施となる次期学習指導要領には、小学校でのプログラミング教育に関する記述がある。算数や理科、総合的な学習など、各教科の中でプログラミング教育の要素を盛り込んでいく方針だ。各教科のどの単元でどのように実施するかは、学校や教員の裁量になるという。
東京都の小金井市立前原小学校は2016年以降、「総合的な学習の時間」から年35コマを割り当て、アイコンの組み合わせといった視覚的なプログラミングを可能にする「ビジュアルプログラミング」中心のプログラミング教育に取り組んできた。そんな同校は今、次期学習指導要領を踏まえて、各教科の授業にプログラミングを取り入れる挑戦を進めている。
現在、前原小学校が取り組んでいるのが、6年生の理科の授業にプログラミング教育を取り入れる試みだ。同校の校長、松田 孝氏は取り組みの推進に当たって、東京学芸大学准教授の加藤直樹氏、子ども向けプログラミング教室を運営するCA Tech Kids代表の上野朝大氏、教材の製造販売を手掛けるアーテック取締役の福永正人氏などに協力を仰いだ。
前原小学校が公開したプログラミング活用授業の様子を紹介しながら、プログラミング教育の可能性と課題を整理する。
2017年6月に公開した授業では、血圧や心拍といったバイタルサインの計測にプログラミングを活用する2種類の演習を実施した。1つ目の演習は、脈拍が一定以上になると通知するようなプログラムの作成だ。
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