マスタデータ管理(MDM)とは、異なるシステムに散在するマスタデータを統合し、管理する手法。MDMの予算を獲得するには、ビジネス部門にMDM構想の必要性を認めさせる必要がある。そのための手順を紹介しよう。
IT部門がマスタデータ管理(MDM)のための予算を要求するに当たっては、ビジネス部門に目を向ける必要がある。
米カールソン・ホテルズ・ワールドワイドのITグループでは、フランチャイズ加盟ホテルに600種類に上る資産管理システムが使われていることによって生じていた問題を解決するには、MDMツールと顧客データ統合ツールが必要であると考えていた。しかしITグループは、単にインフラ問題の解決に必要な予算を要求するのではなく、各業務部門に出向き、整合性のないデータによって生じている問題を探ったという。
そのため、MDMの予算要求が取締役会で検討されたとき、ITグループは自社のデータ管理の問題がビジネスの制約要因になっているという状況を容易に示すことができた。また、これらの問題を解決すれば、顧客とのコミュニケーションの改善やリポーティングシステムの改善といった重要なビジネス構想を実現できるということを示すこともできた。カールソンでは現在、IBMの「WebSphere Customer Center」を導入中であり、さらに多くのMDM問題に対処するために追加予算を確保したという。
MDM構想の必要性を認めさせるに当たっては、幾つかの重要な手順を踏む必要がある。それを紹介しよう。
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