Salesforce.comとGoogleの提携は、オンデマンド型CRM市場およびSalesforce.comの競合企業にどんな影響を与えるだろうか。
質問:Salesforce.comとGoogleの提携は、オンデマンド型CRM市場およびSalesforce.comの競合企業にどんな影響を与えるでしょうか。
興味深い質問だ。現在までユーザーは、オンデマンド型CRMソフトウェアを利用しながら、伝統的な社内インストール型オフィススイートも使い続けるという複雑な状況に置かれていた。それがいけないというわけではない。事実、製品のオープン化が進むのに伴い、IT環境の異種混在化がますます進んだ。この状況は、Salesforce.comおよびOfficeスイートサプライヤー(Microsoftなど)の両方にメリットをもたらした。ほとんどの企業では、Salesforce.comのCRMソフトウェアを利用するユーザーのPCには既にMicrosoft Officeがインストールされているからだ。
さて、あなたの会社が従業員用にPCとソフトウェアを購入することになった場合、ソフトウェアモデルの違いが重要な意味を持つ可能性がある。Microsoftが提供するオフィススイートは、新規購入PCに数百ドルのコストを上乗せするのに対し、Googleのアプリケーションは無償(広告付き)あるいは年間50ドル(広告なし)で利用できるのだ。大量に購入するのであれば大きな価格差は生じないが、ソフトウェア費用の支払い方法に関しては、購入時の一括前払いか年払い方式かという大きな違いがある。こういった違いが企業の競争力の差となって現れる可能性もある。
時代はソフトウェアをレンタルする方向に向かっていると、わたしは考えている。そうだとしたら、GoogleとSalesforce.comの提携はその兆しにすぎず、今後さらに多くの企業が後に続くだろう。また、以前から指摘してきたように、従来型ソフトウェアソリューションのサプライヤーのビジネスモデルは大きな混乱に陥り、その真価が問われている。
もう1つの疑問は、Salesforce.comとGoogleの関係は今後どうなるのかということだ。彼らは合併するのだろうか。わたしはそういった合併に批判的だ。オンデマンドそしてプラットフォーム非依存のメリットは、ベンダーが合併しなくてもソフトウェアがきちんと動作するという点にあるからだ。もちろん、合併には財務面での効果はあるだろうが、合併が(楽観主義者たちが指摘するような)規模の経済や利益率の増大につながらないケースが多々あることは、多くの研究が示している。わたしは、合併が実現しない方がSalesforce.comとGoogle(そして業界)にとってプラスになると考えている。両社が互いに独立していることが、オンデマンド技術モデルの有効性を示すものであり、多くの企業がこれまで利用してきたオンプレミス(社内導入)モデルとは大きく異なる方向に進む業界の動きに拍車を掛けるものとなるだろう。
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