x86といえばPCを連想する読者が多いだろうし、その認識は間違っていない。しかし、組み込み分野でも多く活用されていることをご存じだろうか。活用事例とほかのプロセッサとの差別化要因を解説する。
米Intelのマイクロプロセッサ命令セットおよびそのアーキテクチャを採用したマイクロプロセッサの総称である「x86」。x86プロセッサを語る上で軸となるのは「PCプラットフォームとの親和性」である。x86プロセッサは「PC/AT互換機」のCPUとして搭載され、事実上PCの標準規格となっている。特にMicrosoftのWindowsを組み合わせたPCプラットフォームをベースとした組み込みシステムは、身近な場面で多く使われている。
これから2回に分けて、x86プロセッサを取り上げる。今回はx86をベースとしたPCプラットフォームがいかに組み込み分野で使われているかを紹介していく。
例えば、金融機関のATM(現金自動預払機)、スーパーやコンビニエンスストアなどのPOS(Point Of Sales)システム。これらの多くは、PCハードウェア上でWindowsベースのアプリケーションが稼働している。また、駅のホームにある行き先や発車時刻を示す電光掲示板、空港におけるフライトの発着案内などの情報掲示板端末にも活用されている。
さらに、ゲームセンターにあるアーケードゲーム(業務用ゲーム)機器。かつては専用基板が主流だったが、最近ではそのハードウェアのほとんどがPCに置き換わっている。
いろいろな分野で使われているx86ベースのPCプラットフォームだが、弱点ともいえることもある。例えば、Windowsでシステムエラーが起こったときに表示されるブルースクリーン(Blue Screen of Death)が電子掲示板に投影される光景に出くわすこともある。街中に設置されている組み込み端末がブルースクリーンになっている画像を集めたWebサイトも存在する。
記憶に新しいところでは、2008年夏に開催された北京オリンピック。その開幕式で、ブルースクリーンになった表示装置の画面が天井に投影されてしまったことが話題になった。
こうしたエラーは、信号機の制御や自動車のエンジンコントロール、人工心臓の管理などのミッションクリティカル分野では、決して許されないことである。しかし、広告や案内表示であれば、許容範囲ともとれる場合もあるだろう。
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