SMBにおけるERPの選定は、ベンダーの提案に任せる、いわゆる“丸投げ”になるケースが多い。しかし、自社が求めるシステム像を持たなければ、システムを導入しても動かない。自らの責任で製品を選ぶ時代なのだ。
かつて基幹情報システムでの選定といえば、どこのSIerに任せるか、どこのハードウェアを使うかといった議論が中心であり、選択肢は限られていた。しかし、オープン化の浸透とともにあらゆるITに選択肢が登場してきた。このような状況では、従来の追従型の利用は許されず、自ら責任を担う選択が迫られている。
そして、業務システムの多くがパッケージ化されてきていることは、業務に与えるITの直接的影響が増しているということである。さらに、パッケージに含まれているミドルウェアは、業務システムだけでなくインフラにも拡張されてきていることから、選択に対する責任はより重くなっている。「ベンダー追従」の時代から「自己責任」の時代へと、ITを取り巻く環境は大きくシフトしているといえよう。
アイ・ティ・アール(ITR)での例を挙げると、プロジェクトとして選定を支援する場合には当社のパッケージコンサルティングの流れに沿って行う。この選定プロセスでは、最短でRFP(提案要請書)の作成から2カ月程度で完了する作業ステップとなっている。だが、実際には1カ月半、さらに短納期だと1カ月程度で実施しなければならないこともあれば、逆に4カ月程度となる場合もあり、状況によってさまざまだ。パッケージを導入する範囲が限定されていれば短くても対応できる場合もあるが、業務分野全般に導入を行う場合は、十分余裕を持っておくことを推奨する。また、システムの性能に厳しい要求があると、机上レベルの選定だけでは危険な場合もある。パッケージの性能評価については、第2回「SMBがERP導入で見落とす10のポイント」において挙げた10カ条の最後で「性能問題を甘く見る」と述べたように、思い込みによる楽観やベンダーへの丸投げは避けるべきである。
以降、パッケージ選定の各プロセスおよび留意点を述べていく。
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