IP電話のコミュニケーション改革、初めの一歩はWeb電話帳通話だけじゃない! IP電話による業務コミュニケーション活性化【第2回】

IP電話を活用するUCといっても、さまざまなアプリケーションが連動することが多い。どこから着手すべきか迷ったら、Web電話帳を導入してみるといいだろう。

2010年04月08日 08時00分 公開
[荒牧大樹,ネットワンシステムズ]

 前回「IP電話の本当の価値とは? 潜在能力を引き出す“次の一手”」ではユニファイドコミュニケーション(UC)ツールを用いてIP電話が通話以上の価値を引き出すことの有効性を説明した。

 しかしUCの導入といっても、多種多様な関連アプリケーションがあるため、どこから手を付けていいか分からない場合が多い。そんなときに電話機と連動するアプリケーションとして、置き換えが容易なのは電話帳(社員検索)だ。IP電話と連動する「Web電話帳」システムは、他システムとの連動やソフトウェアのインストールを考えなくても済むため、手軽に導入できる。

Web電話帳システムの機能

 Web電話帳とIP電話との連携でまず考えられる機能が、Web電話帳で検索して表示された電話番号をクリックして発信できる「クリック・ツー・コール(Click-to-Call)」だ。これを導入するだけでも、ディスプレーを見ながら電話番号を電話機に入力していたときよりもかなり便利になる。さらに、検索結果の画面で相手先の名前の横に電話機の利用状態を表示すれば、電話帳から発信する前に相手が通話中かどうかが分かる。また、PCの状態を監視するソフトをインストールすると、名前の横にPCの利用状態を表示することもできる。こうした仕組みにより、相手が通話中であったり離席の場合の無駄な発信を防ぐことが可能になる。

 一方、着信時に相手の名前や部署名が電話機やPCのディスプレー上にポップアップできる機能を追加すれば、受信者は事前に応対の準備が可能になる。通話開始後には、転送や保留の操作がWeb電話帳からできるようにすれば、電話の操作ミスを防ぐこともできる。

 そのほかにも、用件をテキスト入力して相手の電話機上にポップアップ表示させる機能を備えていれば、発信時に確実に相手が出るようにすることができ、重要な用件のときにも確実に伝えることができる。

 さらに一歩進んだWeb電話帳の使い方として、社員のプロファイルに専門分野などの付加情報を登録しておけば、付加情報をキーに社員を検索して連絡するアクションも可能だ。例えば「UC」のキーワードで検索すると、UCのことをよく知っている社員を見つけてそのまま電話連絡するといったことが実現する。

 Web電話帳の製品例として、以下のようなものがある。

Web電話帳の例
製品名 NSTechno-phone Manager PhoneAppli
提供ベンダー 日本証券テクノロジー フォン・アプリ
画面イメージ NSTechno-phone Manager
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PhoneAppli
《クリックで拡大》

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