両社はバーチャルスライド装置と病理画像診断支援システムを融合させることで、病理診断の精度向上につながるソリューションの提供を目指す。
オリンパスとNECは4月26日、オリンパスが開発するバーチャルスライド装置にNECの病理画像診断支援システム技術を搭載した、病理画像診断支援ソリューションの開発とその国内販売において協業すると発表した。
今回の協業の背景について、両社は「がんの早期発見技術の発展・普及、高齢化の影響などにより、特に先進国におけるがんの病理診断数が増加傾向にある」とし、その一方で「病理診断を専門に行う病理医の不足が指摘されている」ことを挙げている。そのため、病理医がより効率的に病理診断を行うために、デジタル技術やIT技術を用いた診断支援が求められているという。
今回、両社が共同開発するソリューションは、現在病理医が顕微鏡を用いて行っている病理画像診断を、デジタル技術を活用したシステムで支援するというもの。オリンパスは自社の光学技術とデジタル技術を生かし、スライドガラス標本全体またはその一部を高精細にデジタル化した画像を作成・保存するバーチャルスライド装置を開発して販売する。
NECの病理画像診断支援システムは、画像認識技術や機械学習を用いて、デジタル化された病理組織画像中の組織および細胞の特徴から、がんだと思われる領域の自動抽出、治療法選択のための免疫染色画像の特徴量計測などを行うもの。このシステムを用いることにより、NECでは「病理診断の迅速化、追加チェックによる診断品質向上、病理診断の均一化の促進、最適治療方法選択における精度向上などが期待できる」としている。また、今後は関連するさまざまな種類のデジタル画像への適合も検討しているという。
さらに両社はそれぞれの強みを生かしながら、病理画像診断支援ソリューションの実現と日本市場での早期の展開を目指すとしている。
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