アサヒビールは、多忙を極める社員のワークライフバランスを考慮してビデオ会議システムを全社導入。社員が時間を有効活用、出張経費も激減したことで、導入後1年間で、投資額の3倍以上ものコスト回収を実現した。
総合酒類・飲料を柱に、食品・健康(医薬品)から、新規事業を導く研究開発、豊かな社会に貢献する研究活動まで、幅広い分野でビジネスを展開するアサヒビール。同社は2011年7月のホールディング化に向け、アジアを中心に展開するグローバル企業として、新たな動きを見せている。このようなグローバル化を進める中、国内事業の大きな柱となる酒類・飲料事業では、いかに製品コストを下げて利益を増やすかという命題に取り組んでいる。
アサヒビールに限らず、グローバル展開を推進する企業において、ビデオ会議システムの導入はさまざまなメリットをもたらす。社内業務の改善や効率化を実現できれば、それに付随する「間接的利益の増加」につながることは言うまでもないだろう。また海外拠点を多く擁するグローバル企業では、パンデミックや自然災害など不測の事態に対するリスクヘッジも考慮するようになってきている。このような原因によって、たとえ国内外で移動制限が掛かった場合でも、ビデオ会議システムを採用していれば、事業を滞りなく継続できる。すなわち「事業継続性」という観点からも、ビデオ会議システムは有用といえる。
とはいえ、ビデオ会議システムの導入メリットはそれだけにとどまらない。上記のほかに、ビデオ会議システムを検討した理由について、アサヒビール 総務法務部 チーフプロデューサーの長谷川朋成氏は次のように語る。
「われわれのような酒類の仕事は、どうしても労働時間が長くなりがち。仕事の合間を縫って出張に出掛け、会議にも参加しなければならない。多忙を極める状況の中で、できるだけ社員の負担を軽減する方法を模索していた。いわゆるワークライフバランス(※)を重視し、無駄な時間をなくすことで、家庭生活も大切にしてもらいたかった」
※ 労働者の仕事と私生活との適正な調和を図ること。
また、経営や現場でも、意思決定や情報共有などの迅速化が求められる時代になってきた。「そのため、例えば本社で商品を開発する社員、キャンペーンに携わる社員、営業施策を考える社員などが、その場でそれぞれ直接的に語りかけ、疑問点を素早く解決できる体制も必要だった」と同氏は説明する。
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