富士ゼロックスが独自のドキュメント技術を用いて診療記録の二次利用を効率化するシステムを開発し、津山中央病院との共同実験を実施。その有効性を確認した。
富士ゼロックスは1月5日、病院が保管する診療記録の二次利用を効率化するシステムを開発し、岡山県の財団法人津山慈風会 津山中央病院と共同で評価実験を行い、その有効性を確認したと発表した。
富士ゼロックスは、電子文書や紙媒体などの多様な診療記録を汎用的な電子のドキュメント形式に統一し、原本性を担保して集中管理する「診療記録統合管理ソリューション」を2010年から展開している。今回、記録の保管・管理にとどまらず、さらなる有効活用へのニーズに応えるため、津山中央病院と連携し、保管されている記録を迅速かつ効率的に活用できるシステムを試作し、その評価実験を実施した。
今回、富士ゼロックスはスキャン文書の情報を高精度で解析する画像処理技術、解析結果を希望の形式に変換して集計できるハンドリング技術など、同社が持つ技術を組み合わせたシステムを開発。このシステムでは、PC端末画面で文書をプレビューしながら、ドラッグ&ドロップなどの操作で情報の抽出や集計が可能。同社によると、従来は手作業で行っていた情報収集や集計の工数を削減できるという。また、一度ルールを設定すれば、電子文書や紙などの媒体の違いを意識することなく、同一レイアウトの文書として一括処理できるとしている。
津山中央病院との共同実験では、患者満足度アンケートや問診票など、手書きで記入する形式の定型文書をスキャンして電子文書に変換し、そこから情報を抽出する実験を行った。その結果、高精度のデータ抽出と自動的な集計作業の実施に成功し、今後の実用化に向けた有効性を確認したとしている。
富士ゼロックスによると、さらに機能を強化して適用範囲を広げることで、例えば、既往歴・生活歴として問診票に記載された情報を自動集計して合併症のリスク評価を行い、高リスク患者を抽出するなど、診療行為における判断材料として活用できるという。
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