米IEEEが遠隔医療に関する見解を発表。技術支援体制は整ったものの、普及に向けては医療技術者と臨床医との連携を高める必要があるとしている。
電気・電子関係の技術者団体「IEEE」は7月27日、同団体に所属する遠隔医療技術専門家の見解を発表した。IEEEの標準策定委員会(IEEE Standard Association)は、医療機器と外部コンピュータシステム間の通信技術の標準化規格「IEEE 11073」を策定している。
IEEEの専門家の見解によると、発展途上国などを中心に高まる遠隔医療サービスへの需要に対し、遠隔医療の技術的な支援体制が整ったという。しかし、遠隔医療の幅広い普及には、患者への効果が測定できる数百万単位の利用者を集めるなどその実効値を明確にする必要があり、医療技術者と臨床医とのさらなる協力が求められると指摘している(関連記事:継続的な地域医療連携を進める上での課題)。
BBCリサーチはグローバルな遠隔医療の市場規模について、2010年の98億米ドルから、2015年には230億米ドルまで成長すると予測している。この市場予測を踏まえ、IEEEは「スマートフォンや各種計測機器などを含む多くの技術が、遠隔医療の普及の戦略的な役割を担う」と予測しているという(関連記事:スマートフォンの利用で患者治療の効率はどう改善されるか)。
スマートフォンの利用例としては、高速モバイルネットワークを組み合わせることで、糖尿病患者の痛みや危険を伴わない非侵襲的な血糖値測定を可能にすることを挙げている。また、バイオセンサー技術の一例として、患者の心臓発作を遠隔モニター可能な心電図センサー技術を紹介している。
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