5〜15%の価格引き上げも――ストレージベンダーのHDD供給不足への対応タイ洪水によるHDD不足はいつまで続くのか(後)

大手ストレージベンダー各社は、2011年のタイ洪水によるHDDの供給不足や納品遅延の可能性を考慮し、5〜15%の価格引き上げを今後実施する予定だ。

2012年04月13日 09時00分 公開
[Carol Sliwa,TechTarget]

2012年中はHDDの供給不足が継続

 前回の「タイ洪水によるSAS/SATAの品薄状態は2013年まで継続――アナリストが予測」に続き、2011年のタイ洪水の影響によるHDDの供給不足問題を取り上げる。

 大手サプライヤー8社の製品に関してでさえ、既にHDDの供給不足や納品の遅れを経験している企業がある。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のInstitute for Digital Research and Education(IDRE)で主任技術者を務めるスコット・フリードマン氏によると「IDREでは最近、通常なら2、3週間済むHewlett-Packard(HP)の3TバイトSATAドライブ180Tバイト分の納品に2カ月を要した」という。

 また、スイスのフリードリッヒ・ミーシャー生物医学研究所の情報科学部門を率いるディーン・フランダース氏は、2011年12月に発注した新しい「IBM DS3524」(NetAppからIBMが取得し、ブランド名を変更したディスクアレイ製品)に組み込む1Tバイトの7200rpm NL SASドライブを、900Gバイトの1万rpm SASディスクに変更する気はないかとIBMのリセラーから打診されたという。

 Gartnerでは、HDD業界全体の供給量が完全に洪水前のレベルに戻るのは、第3四半期末後半か第4四半期前半になると予想している。米Gartnerのデータセンターシステム部門でリサーチ担当副社長を務めるジョン・モンロー氏の調査では、HDDの総出荷量は2011年第3四半期から第4四半期にかけて31.6%ダウンし、1億7580万台から1億2030万台になった。

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